月と太陽
世界の終わりに、太陽と月の境界線を見た。
君はただじっと黙って、長い睫毛を震わせた。それは怒りのような、安堵のような、不思議な色をしていたから。僕は思わず、君と手を繋いだ。「今夜も月が綺麗ですね」と、君に伝えられたら良かったのか。こんなにも救いようのない、泣きそうなほど笑える夜はあるだろうか。ゆっくりと、確実に、夜空に溶けていく青い月が、ぽたぽたと垂れ流す僕の涙。ぱっくりと欠けた太陽からこぼれ落ちる、どろどろの血液は、僕と君の愛の証。体温を失くした真っ白の君を見て、ああ、何よりも美しいと僕は嘆いた。継ぎ接ぎだらけの、僕と君の世界が、ただ静かに死んだ。