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地球が舞台の話1

セクハラ

作者: ひつじかい

 幼馴染である俺の同僚が、セクハラとパワハラでクビになった。


「ただのコミュニケーションだったのにな~」


 こいつは、昔から苛めと弄りの区別が付かない奴で、大人になっても変わらなかった。

 その上、女子にはスカート捲りしたり、ブラや生理の事をからかったりと、やはり小さい頃からセクハラしていた。


「あれがコミュニケーションって……。もういい年なんだから、フィクションと現実の区別付けろよ。あんな事して好意的に思ってくれる人なんて、そうそう居ないぞ」


 俺は何度か注意して来たが、こいつは耳を貸さなかった。


「いやいや。あの子はそう言う話、オッケーな子だよ」

「そんな訳無いだろう」

「だって、前話した時、嫌がらなかったし」


 俺は呆れた。


「お前な。嫌がらないからってオッケーとは限らないって、その年になっても解らないのかよ」


 自分には無いのだろうか? 内心嫌でもそれを隠して振舞った事が。

 それとも、自分以外はそんな事をしないとでも思っているのか?


「この程度ならって我慢したり、一回位ならって我慢したり、相手が怖かったり、あれは良いけどこれは駄目とか、色々あるんだぞ」

「お前には解んないよ」


 苛っ。


「そもそも、皆嫌だから、セクハラされたって報告したんだろうが」

「冗談なのに、一回位で心狭いよ。ああいう冗談オッケーな子かどうか確かめる為には仕方ないのに」

「女性とエロトークをするって目的な時点で、それは冗談じゃないからな」

「お前って、同じ男なのに男心が解んね~よな」


 同じ人間なのに他人(特に女性)の心が解らない奴に言われたくない。


「自分がされて嫌な事は他人にしない様にって、教わらなかったか?」

「だからさ。あの子は嫌じゃなかったんだって」

「お前には人を見る目が無い。嫌だから上に報告したんだろうが」

「それは……。だって、冗談とセクハラのボーダーラインが解らないからさ~。今回はセクハラになっちゃったけれど、ワザとじゃないんだ。お前だって、ボーダーライン解んね~だろ?」


 まあ、確かに、人によってセクハラと感じる事は違うけれども。


「取り敢えず、政治家……特に、大臣がやったら叩かれる事はセクハラだ」

「え? 大臣?」

「そう。お前がやった事を大臣がやったら、絶対叩かれるから」


 俺がそう言うと、考え込んだ。


「でもさ、大臣とかって、冗談で済む様な事でも叩かれるイメージなんだけど」

「叩かれるなら、それは冗談では済まないって事だ」

「それは……厳し過ぎないか?」

「厳しく無い」


 これで、少しは我が身を省みてくれると良いのだが。


「で、でもさ、エロトークしたくても自分からは出来ない子っているじゃん」


 まだ言うか。


「そんな子が本当にいるとしても、それはその子の問題であって、お前にどうこうしなければならない使命も権利も無い」


 お前は、他人の為にセクハラ男と嫌われ・解雇される事も厭わない様な殊勝な人間じゃないだろうが。




 その後、奴は学生時代の先輩の会社で働く事になったのだが、またセクハラをしたらしい。

 何をしたのかは知らないが、相手の女性がPTSDを発症したそうで、刑事と民事で訴えられたらしい。

 これで、今度こそ懲りると良いんだが。

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