第1話 ニートがゲームの世界に転生してた件
俺は目が覚めたら洞窟にいた
最初はかなり戸惑ったがやがて冷静さを取り戻した
「ここは何処なんだ、俺はさっきまでゲームしてたはず…それにこの場所は一体何なんだ?」
いや、俺はこの場所、この洞窟を知っている
なぜならこの洞窟は……
俺はふと思い自分の体を見回した
「やっぱりそういうことかよ」
俺は自分の体を見て確信を得た
なぜならこの洞窟はさっきまで俺がゲームの画面越しに見て戦っていた場所で、俺の体はさっきまで俺と激戦を繰り広げた終焉竜の姿だったから
「洞窟を見たときになんとなく感じてたけどこれはアレか、転生ってやつ」
恐らく、俺は死んだのだろう
ゲームに集中しすぎて飲まず食わずになり親も引きこもりの俺の部屋には滅多に入ってくることはないのだからまずあれから助かるということはあり得ない
「まあ、もう過去のことを振り返っても仕方がないか」
そんなことよりこれからのことだ
「これからか、前はニートで引きこもりだからな、まともな生活をしていく自信が全くないな」
衣食住がまともに出来ていたらあんなマヌケな死にかたはしない
終焉竜の体を考えると食生活は恐らく大丈夫だろう
何故なら終焉竜はこの洞窟の中で生きており外に出ることがない
さらにこの場所に終焉竜の他に生き物はいないのでこの体は食べ物を必要としないのだろう
残るは衣と住だが
衣はまず人間ではないので必要としない
住はダンジョンがあるので大丈夫
あれ、これってまた引きこもれるんじゃないか?
「いいや、前世が引きニートなのにまた引きニートっていうのはダメだろう、せっかくの転生なんだから今度こそまともな生活をしなければ」
前世で出来なかったことや失敗したことを今度こそやり遂げたい
「とりあえず自分のことの確認をするか」
こういうテンプレならばやはりステータスなどがあるのだろうか?
まずはそこから調べるか
「ステータス」
種族:終焉竜
名前:レイ
職業:裏ボス
レベル:1
体力:99999999/99999999
魔力:99999999/99999999
攻撃力:9999999/9999999
防御力:9999999/9999999
俊敏力:9999999/9999999
魅力値:9999999/9999999
運値:50000
装備:なし
こうして改めて見るとやっぱり凄まじいな
運値だってやたらと低く見えるけど50000もいくやつなんて普通はいないんだぞ
職業は…まあ、実際にそうなんだし仕方のないことなんだろう
「あと、俺はレベルカンストで戦っていたのにあいつレベル1だったのかよ」
12時間もかけてカンストプレイヤーがレベル1と戦っていたのかよ
本当にぶっ壊れてんな
「さて、確認は済んだことだし後は外にでるか」
俺は洞窟を進んでいく
このダンジョンはかなり特殊になっていて通常ならいるはずのダンジョンを徘徊するモンスターが一匹もいない
ダンジョンの造りもただ長い洞窟が続いているだけだ
ただしこの洞窟は大きな扉で塞がれていてその扉は内側からしか開けられなく壊して入らなければ行けないのだがその壊す扉ですらカンストプレイヤーの最高の一撃でやっと壊せる代物になっており、このゲームにおいてカンストプレイヤーなど極一部なので大抵は終焉竜の所に着くことが出来ないようになっている
まあ、俺は扉を壊し終焉竜を倒した訳だが結局は共倒れになってしまった
大きな扉が見え始めていく
やっと着いたみたいだ
久しぶりのせい外か、少し緊張してきたな
前世では12年も外に出てなかったからな~
俺は大きな扉に手をかける
こうして異世界への一歩を踏み出した