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新訳:キツネとすっぱいブドウ

作者: 木村 公

「おなかがすいたよう」

と、キツネが森の中を歩いていました。

  すると、おいしそうなブドウがブドウだなからたくさんぶら下がっていました。

  キツネは、なんとかして取ってやろうと思いました。

  でも、ブドウだなは高くてどうしても手がとどきません。

キツネが口惜しそうに眺めていると、白ヤギさんが来て言いました。

「ブドウを食べない生き方こそが本当の生き方だ」

そういった白ヤギさんの後ろには、ブドウの食べカスがたくさん落ちていました。


黒ヤギさんが来て言いました。

「ブドウが食べられなくて残念でしたね。あなたの悔しい気持ちはわかります。

でも、忘れることです。ブドウ以外にも食べるものはたくさんあるのですから」と。

そういった黒ヤギさんの後ろにも、ブドウの食べカスがたくさん落ちていました。


キツネは二人の話を聴いてこう言いました。

「なるほど確かに、あなたたちの言うことは正しい。

でも、僕はとにかくお腹が空いているからこうしよう」

といって、キツネは二匹をぺろりと食べて、

「あのブドウはすっぱいにちがいない」

とつぶやいて去って行きました。



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