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2つ目の異世界  作者: ヤマトメリベ
第2章 合流編
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7-1<追跡者>

『そのまま、一切動じる事無く聞くのじゃ。』


鍛冶屋を後にし、宿までもう少しという所までたどり着いた頃に、マールの真面目な声が届いた。



(…どうした?)



訝しげに返答する。



『おんしら、尾行けられておる』


(…そうか、どうする?)


『妾が無力化する。おんしは一気に確保じゃ。』


(分かった。距離は?)


『およそ200m後方、振り向かず右側、振り向いた後は左じゃ。妾の術で即効で昏倒させる、倒れたヤツを攫えばよい。』


(…魔力は大丈夫か?)


『足りぬ。おんしのを借りる。』


(分かった。)


『では、やるぞ。5』



頭の中で打ち合わせを終える。準備をしないと…



「メリア、ちょっと悪いんだけど手を離してくれないか?」


「何故、だ?」


『3』


「緊急事態。お願い」


「………わかりました。」


『2』



なんでそんな泣きそうなの!?困るんだけど!?


………い、いや今はそれどころじゃない、やるぞ。



『1』



体内で疾走するための<強化魔法>を活性化する。行ける。



『GO』



ドッっと地面を蹴って走る。気配を確認して通行人の位置は大体掴んでいた。すりぬける。


目的の人物らしき人が痙攣し、地面に吸い込まれる用に体を傾ける。倒れ伏すその前に、攫う!


小脇に抱え、一気に掻っ攫い反転、宿にたどり着いたところで減速。この間約5秒。


何が起こったのか分かっておらず、俺が居なくなって戸惑っていたメリアとオサを追い抜き、入り口の中から手招き。



宿の1階を見渡すと食事時のせいか、人が多い。仕方ないのでそのまま宿泊している部屋に運ぶことにした。



「おかえりなさい、ユートさ…ん?」



部屋にはソフィーとマールがいた。


ソフィーが俺が小脇に抱えた人物を見て困惑する。



『首尾よく捕まえたようじゃの。バックアップ要員らしき連中も混乱しておる。おんしを目撃できた者は恐らく皆無じゃろう。』


「そっか、ところでマール、お前何を?この人なんだかすごい泡吹いて痙攣してるんだが…」



あと何かすごい笑ってる。目の焦点も合ってないし…有り体に言って怖い。



『何、ちょいと<バッドトリップ>をしてもらったんじゃよ。』


「…なんだか響きからして後遺症とかが怖い感じなんだが…いいのか?」


『1回や2回やるぶんには効果をきちんと抜いてしまえば問題なかろうて。』



…聞けば聞くほどよろしくない薬を使ったような感じに聞こえる。


本当に大丈夫なのだろうかこれ?



「あの、それで、どういうことなのですか?そちらの方は?…特課兵の方のようですが…」



言われて小脇に抱えた人物をきちんと見る。


男、小柄、薄めの茶色の髪。頭の頂点にウサギみたいな耳。…ご丁寧にズボンからは丸い尾が出ている。


そしてアンディさんと同じ制服。



「…みたいだね。どうする?」


『しれたことよ。 尋 問 じゃ !』



なんでそんなに楽しそうなの…?

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