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2つ目の異世界  作者: ヤマトメリベ
第2章 合流編
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6-1<鍛冶屋1>

事情聴取を終え、マールに連絡して昼食はソフィーと合流してとることにした。


だが、まだ少し時間が有るようなので、その前にメリアの槍を修理に出しに行く事になった。


どうせ2日拘束される。その後オサを村まで送れば往復4日の合計6日。


修理に出して置けば良いとの判断だ。



そして今鍛冶屋の受付前に居る。


メリアが槍を渡して色々と交渉中で暇だった。ギミックがあるので色々注文をつけているようだ。



「そういえば、この<人型>から出た鉱石は何かに使えるの?」



ふと、思い立ちすっかり名前を忘れた鉱石を取り出してオサに聞いてみる。



「ん?あぁ、<魔鉱石>か。そうだな、あの嬢ちゃんの槍の柄とかそうだな。何か知らんが魔力を良く通すし熱加工すると強度がすげぇ上がる…んだったかな…?うろ覚えだ。」


「強度でなく硬度じゃな、他はおおよそその通りだぞい。強いて言えば硬くし過ぎると割れやすくなってしまうでの。硬軟混ぜ合わせて使用する。なかなか加工するのが面白い金属じゃ。」



横から声がして、オサの解説をフォローしてくれた。でも、誰だ?この人。



「ええと、解説ありがとうございます。すみません、どなたですか?」


「何、この工房のマスコット的じじいじゃよ」


「何がマスコットだよ…こんないかついマスコットがあってたまるか」



たしかに爺さんはオサ並の小柄だが、サンタみたいな豪快な髭に禿頭、


さらに上半身裸で筋骨隆々である。


赤茶けた肌がさらに筋肉を強調している。


…というか、この人こそドワーフじゃないか?


しげしげと<魔鉱石>を眺める爺さんをしげしげと眺める。


…特に耳は長くない。やはりドワーフではないか。あれ?ドワーフって耳が長かったっけ?


そうこう考えて居ると爺さんが口を開く。



「なかなかの上質…いやかなりの上質の<魔鉱石>じゃな。ごく最近の<人型>からとったか?」


「そうですね。」


「ほほぅ、どうじゃろう?そこの嬢ちゃんの槍の修理にコイツを使いたいんじゃが、買い取らせてくれぬか?」


「幾らだ?」



オサの目の色が変わる。金銭の話になるとほんとにこの見た目幼女は…



「そうじゃな…30、小金貨3枚でどうじゃ?」


「35。」


「がめついのう…31」


「35。」


「31。」


「さんじゅう…」


「ストップ」



「あん?なんで止めるんだよ?」


「30でいい。その代わり色々聞きたい事があるんだ。」


「ほう、感心じゃ。じじいの鍛冶知識はなかなかのもんじゃぞ?何が聞きたい?」



なんだよー、折角高く売ってやろうと思ったのによーとオサがごねる。


だが、ここは聞きたい事がある。それが優先だ。



「魔法金属ってあるのかな?」


「…聞いた事が無いのう?どういうものじゃ?」


「魔法を使って精錬された金属で、特性は高い魔力伝導率と強度に軽量さって感じなんだけど…」


「魔法で精錬、と言う物自体聞き覚えが無いの。後半を満たすのもこの<魔鉱石>を加工したもの程度か。あまり加工せずそのままの素材で使うなら、竜種系の素材の方が優秀じゃ。」



やはり、そもそも無かったか。武器屋でも見当たらなかったしそうではないかと思ったが。



「…確か<魔鉱石>は熱加工でしたよね?高温には弱いんですか?」


「あぁ、高温に晒すと硬度が上がるんじゃが砕けやすくなってしまうの。」



だめか。畜生、ミスリルの製造法とか覚えとけば良かった。



「ありがとうございました。残念ですが、俺の欲しいものは無さそうです。」


「熱に強く、高い魔力伝導率と強度に軽量さということなら、<赤鰐竜の鋸歯>辺りが最上級かのう…竜はモンスターと違って1匹あたりの手に入る素材は多いんじゃが、討伐される事がそうそうないでの。このじじいですら1,2度しか見た覚えは無いぞ」


「そうですか…ちなみにその鋸歯は何度ぐらいの高温に耐えられますか?」


「そうじゃの…試した事はないのじゃが…記録によると3000度ぐらいだったかの。」


「へぇ、すげぇ火力だな?普通7〜800度、凄いので1000度ぐらいしか出ないって聞いてたんだが?」


「うむ。炉はそうじゃの。だから魔法で熱したらしいの。うん?こういうのを魔法精錬と言うのかの?」


「残念ながら…」



似ているが、多分違う。確か魔力を直接素材に流して居た筈だ。


そして、それではだめだ、5000度ぐらいに耐えてくれないと<多連層水環鋸>には耐えられない。



「残念です。5000度ぐらいに耐える金属が欲しかったのですが。」


「お前はまたそんなムチャクチャな物を…大体何に使うってんだよ」


「攻撃魔法に…?」


「そんな金属このじじいでも聞いた事すらないぞい…」


「いえ、ありがとうございました。工夫してみます。」


「すまんの、折角交渉を打ち切ってまで聞いてくれたのに力になれんで。」


「お気になさらないでください。」


「あぁその通りだ。コイツのヨタ話に付き合うと頭が痛くなるだけだからな。」


「酷いね」


「ホントの事じゃねーか」



いい加減お前の規格外ネタは飽きたぞ!と怒られた。


交渉を止められたのが相当気に入らないようだった。

久々のうんちくシリーズ

金属の融点は高いものでもタングステンの3380度ぐらいのようです。

高融点化合物でも炭化タンタルの3880度。

大気圏で燃え尽きた物体が地上に降ってこないのはこの温度を軽く超えてしまって何もかもが気化しちゃうからのようです。

と、いう事で夢の金属であるミスリル達にはその限界以上、というこで5000度に耐えれることになってもらいました。


※うんちくシリーズはざっと検索した結果です。もしかしたら間違っているかもしれませんので、その場合はご指摘ください。修正しますので…

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