表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
2つ目の異世界  作者: ヤマトメリベ
第1章 二人の逃避行編
6/127

1-5<召喚魔法と補足と>

曰く、


この世界は記録されているおよそ2000年程前からマナの濃度が上がり続け、飽和したマナの副作用で獣や人がモンスター化していっていたらしい。


そしてこのままでは不味い、とおよそ300年前全ての人々が種族を超えて協力、研究し、ついにはこの国の初代王妃が<異界の扉>を開き、マナ濃度を下げる事に成功した。


だが、今でもおよそ20〜30年周期で<召喚魔術>を使わないと、マナ濃度が危険域に達してしまうらしく、定期的に<異界の扉>を開き、マナを抜かなくてはならないらしい。


実際、マナを抜くための儀式魔法、<召喚魔術>を使用するこの大陸以外はマナ濃度がそれ程下がらず、今や完全にモンスターに支配されており、人が住める状態では無いそうだ。


さらに召喚魔法の鍵となる者はそれこそ物凄い魔力が必要で、その魔力量の人物を毎回用意するには、術者自身が開いた扉を使い、異世界人で潜在魔力の高い異性を捕まえて娶るのが確実なのでそうしてきたらしい。


そうして国家の管理で定期的に<召喚魔術>を行う事が可能になったここ200年程、この大陸のモンスターは比較的マナ濃度の濃いダンジョンや森などに発生する程度に収まり、随分平和になっているそうな。






「すっごい魔法で消費すればいいんじゃないの?」



なんとなく思いついたことを聞いてみる



「そうしましてもマナ自体は大気に還元するだけですから、結局総量は減りませんので…」


「…あーそうか意味無いか」


『ホレあの時魔王がつこうた<狭間落とし>も同じ原理じゃぞ?』


(…そういやそうだったか)



狭間に居た頃マールに説明された事を思い出す。


確かに、ヤツはあんな大それた魔法が使える余力は無かった。


戦闘で撒き散らし充満していた俺とヤツの還元マナを再利用し次元の穴を空けたのだ。


まぁそんな事は今更だ。今はそれよりも…



「大体の経緯は分かったよ。でもそれにしても今会ったばかりの相手と…その、夫婦になるって?…性急過ぎない?」


「私にとっては生まれた時からそう決まっていましたので…それに今はさらに強くそう成りたい、と感じました。」


「それはまた、なんで…」


「えと、その…実は召還したその場でそのまま襲われてしまって契る<召喚の姫>って凄く多かったんです。その…あんな格好ですから。勿論、私だって覚悟はして来ましたけど、やっぱり怖かったんです…初めてですし…」



モジモジしながら語る。その仕草、色々クるものがあるんだが…



「そ、その点ユート様は恥ずかしそうに私から目を逸らして、襲おうという素振りすらございませんでした。」


『その前にビンタではじき飛ばされておったしのう』


(・・・)


「ですからその、あぁこの人は凄く優しいんだ、って…紳士的なんだな。って。…こうして話していましても物腰もやわらかいですし、何だか凄く安心するんです。だから、えっと…ううう…


と、とにかくこう、心配で、怖かったんです。どんな人が現れるんだろう、って。そしたら、その…予想よりずっと素敵で…


あううう…上手く、言えないんですけど、なんだかこう。胸がドキドキしてふわっとした気分に成るんです!もっとユート様の事を知りたい。もっと私を知って欲しいって思うんです!」



なんだか凄く熱意を込めて次々と語るソフィー。


しかしますます俺の頭は混乱する。考えが纏まらない。


一目ぼれとでも言いたいのだろうか?あるのか?そんなこと?


この娘大丈夫?思い込み激しすぎじゃない?


いや、嬉しいんだけど、なんだか裏がありそうで不安な気が…



『プックク…お、おんしのウブさが役に立つとはのう』


(…うるさい!)



「やっぱり私ではダメですか…?それともやっぱり元の世界にお帰りになられたい…ですか?」



だんまりになった俺を見つめる顔が一転して悲しそうな表情に変わる。


それにしても、元の世界…か。


もう随分と過去に感じる元の世界を思い浮かべる。


主観では既に以前に召喚されてから8年経っている。


時間が狂った狭間に居たせいで実際にはもう何年経ってるかも分からない。



(…今更、だよね。)


『…』



少し昔を思い出し浸ってしまった。とりあえずフォローしなくては。



「あぁいや、そうじゃなくて、それは良いんだ。」


「色々あってね、今戻ったってもうダメなんだ…。だからむしろ今は安心して骨を埋められる所を求めてる。それに君の事も…その、ダメ、なんて事は無いけど、色々まだ何も分からないし、決めかねるというか?」


「でしたら!やはり私と一緒になりましょう、これから二人で、色々お互いの事も知って行けばいいではないですか。」



さっきまでの悲しそうな顔が一点ぱぁっと顔全体に期待の色を浮かべこちらを伺う。



「えっと…実はその、先約があ『妾は構わぬぞ?この娘も愛い。おんしと纏めて愛してやるまでよ』………あー……一つ確認してから決めて欲しい事があるんだ。それを見てからもう一度考えてもらっていいかな?」


「…?わかりました。大丈夫です。そうですよね・・・急過ぎましたよね。はい。急ぎはしません。でもきっとこの気持ちは揺らぎはしませんので!」



と、ニッコリ笑って宣言する。本当に表情豊かな娘だ…



『妾のカンではこの娘は妾も受け入れると思うがな。おんしもまんざらでも無かろうにあーだこーだと言い訳して、往生際がわるいのう。』


(…うるさいよ!)




正直図星だったことは、言うまでも無いだろう。

予約掲載試してみました。


やっぱり長々とした説明文は書くのも見るのも辛いですね。なるべく、登場人物の口から話して行くようにしたいです。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ