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2つ目の異世界  作者: ヤマトメリベ
第2章 合流編
58/127

3-3<人型2>

背後で荷馬車が爆発した。




何が?と思い振り向く。同時に豚が私の腹を蹴り、その反動で落としてしまった。



「へ、へ、へ、クソ女め、こっちが下手に出てりゃ調子に乗りやがって、ぶっ殺してやる…」



豚が悪態を付き、淡く光る右手の腕輪を握り締めている。


魔法、いや、魔道具か?



「お嬢様!」



セバスが緊迫した声を上げる、砕けた荷馬車から現れたのは身の丈2メートル半程のモンスター<人型>だった。



「やっちまえ!バケモノ!男は殺せ、女は手足を砕け!嬲ってやる!!」



豚がモンスターに命令する。そんなバカな。モンスターを操る、だと?



「アアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!」



<人型>が雄たけびを上げ飛び掛ってくる。まずい。


慌ててその場を離れる。


しまった、豚と分断されてしまった。



「行け!ぶん殴れ!」


「アアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!」


「くそっ」


「お嬢様っ」



戦闘が始まる。<人型>相手に私とセバスだけでは厳しい戦いになるのが予想される。




…<人型>について思い出す。


<人型>とは文字通り人が変化したモンスターだ。


基本的にほぼ人の骨格構造を持ち、爪や牙が発達する。ここまでは普通のモンスターと変わらない。


だが、<人型>は普通のモンスターとは違い変則的な力を持つ場合が多い。


例えば武器を用いたり、変化の時に着けていた装備を取り込んだりして、固体ごとに性質を変えてしまうのだ。


さらに最も厄介なのは魔法を使うモノが居るという事。だが見たところ相手は無手の無頭型。<歩兵>と思われる。


肥大化した腕に口を移したタイプで、人と大差ない動きで主に腕力に頼る。それ故に背後から突けばもろい。


もっともオーソドックスで最も弱い<人型>だ。




<歩兵>であれば他と比べて大したことも無いはずだが、それでもその強さはまともに一撃を食らえば致命傷になり得る程に強力だ。


さらにこの巨体。これまで交戦した事のある<人型>と比べて2回りも3回りも大きい、油断はならない。



突き込まれた口腕の一撃をかわし、剣で切り付ける。


手加減はしない。全力で行かないと倒せない。



「<爆発(ブラスト)>!」



発動言語のみの略唱魔法、片刃の剣の背側で限定的な爆発を起こし、幅広な背で爆風を受け止め、強引に押して切り込む。



「<爆発>!」「<爆発>!」「<爆発>!」「<爆発>!」



間髪入れずに連続発動させ、押し切ろうとする。だが、硬い。殆ど切れない。どうなっている!?



「お嬢様、<鎧付き>です!!」



そう行ってセバスが背後に回り、拳を叩き込む。只の拳ではない。セバスの手持ちの魔道武具、<雷装拳甲>が付けられている。


接触点が一瞬青白く光り、ビクリと<人型>が怯む。魔力を込められた<雷装拳甲>が電撃を放ったのだ。その隙を付いて、大きく一歩はなれる。



なるほど<鎧付き>だったのか、切れない訳だ。


<鎧付き>はその名の通り、変化する際に鎧を取り込んだタイプの<人型>。


元の鎧の性能にもよるが、得てして恐ろしく防御力が高い。



このままではこちらは千日手、そして疲労し集中力が切れ隙を見せた所を一撃で葬られるだけだ。


対<人型>の基本は役に立たない。最大火力を一気に叩き込んで、勝負するしかない。



「セバス、魔法を使う。抑えてくれ!」


「承りました!!」



セバスが<人型>の正面に立つ、その背後に飛び下がり、詠唱を始める。



「―Buamedn hnflat lat Iossilo. Tolitut breomptet rl bzep ―」


「やらせるかよ!女を狙え!バケモノ!!」



豚の声が響く、<人型>が私の方を見た。比較的小さい側の左腕がアンダースローで振るわれ、伸びる。



「―Woog oulzu ne tadeem Hrid. Adeo Rnadoat erypet corr Bwffs―」



私の傍を鋭い指先が掠めていった。腕をセバスが蹴り上げて逸らしたのだ。


詠唱を続ける。セバスを無視して私に向かおうとした<人型>が足を絡めとられ、転倒する。



「―Eraon an ot Laeha Anhr dlamm Quole―」



倒れた<人型>が起き上がろうとするが、体重の乗った部分をセバスが払い、何度もくず折れる。


上手い。



「―Fameiesv ohe sohlaeda famrte poroer eey vet―」


「畜生!まずその執事をぶっとばせ!その後でいい!」



豚が指示を飛ばす。<人型>の狙いが変わる。


くず折れた<人型>が口腕を振るい、セバスを牽制し、立ち上がる。


まずい、私を狙っていたからセバスは優勢に戦えた。完全に狙われて1対1では相手にならない。


気が逸る。


セバスが必死にかわす。かわしきれず燕尾服が裂け、血が舞う。


急げ、急げ、急げ、



「―Bbur cdeyiremt Xauivnt Lez-Lnt―」



詠唱が終わり、魔法が形作られる。



「セバス!!」



後は発動言語を放つだけ、という所でセバスに向かって叫んだ。


セバスが踵を返し、わき目も振らず離脱する。それを視認しながら、全力で魔法を叩き込む。



「<渦炎陣風結界>!!」



正面に出来ていた特大の火炎球が飛び、<人型>を捕らえ、直後炎の竜巻となり、風を巻き込み一気に燃え上がる。


単発魔法としては私の最高の攻撃魔法だ。これを食らっては<鎧付き>と言えどひとたまりも無いはず。消し炭に、なるがいい!!



「アアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア」



断末魔の声が響き、<人型>が暴れる。だが、巻き上がった炎の竜巻はその動きに合わせて追従し、逃がさない。



「アアアアアアアァァァァァァァァ・・・・・・・・・・」



断末魔の声が次第に小さくなり、止まった。


その後暫く巻き上がっていた炎の竜巻が効果時間を終えて消える。真っ黒になった<人型>の残骸がある。




残骸が、ある。




その事実に肌が泡立つ。まだ、倒せていない。



「セバス!!槍を!!」



セバスが鞄から2m半はある私の騎上槍(ランス)を取り出し、投げて寄越す。


同時に動いた<人型>が、投擲して一瞬無防備になったセバスを横殴りにし、吹き飛ばした。



「セバス!!」



槍を受け取り、吹き飛ばされたセバスを目で追う。


セバスは並んだ馬車の1台の横腹に叩き付けられ、馬車の壁を粉砕し、つき抜け、見えなくなった。



「しまっ」



絶好の隙を作ってしまった事に気付き、その場から離れようとした、その時



<人型>の細い方の腕の指が伸び、その場を飛び去ろうとした私の両足を貫いた。



「ぐ、あっ………!」



バランスを崩し、倒れる。


突き込まれた指の痛みに耐え、槍を<人型>に向ける。


だが、遅すぎた。


接近した<人型>が反対の手で槍ごと私の左腕を掴む。


食らいはしてこない、がそのまま上腕の骨を握り折られた。



「――――ッ!!」



声にならない悲鳴を上げる。まずい、このままでは


足に刺さった指が引き抜かれ、そのまま折れた腕と槍を纏めて掴んだまま持ち上げられ、地面にたたき付けられる。


衝撃に耐え切れず、腓骨(ひこつ)が砕ける。


さらに持ち上げられ、もう一度叩き付けられる。器用なことに叩き付けるのは足だけだ。


両足の骨が、いくつも、砕ける。


さらに持ち上げられる。また、叩き付けるつもりなのか。



「ち、くしょぅ……」


「そこまでだ!!」



豚の声が響く、まだ、右腕は動く。


豚が得意げにこちらにくる。



「おっと、暴れられたら面倒だ。おいバケモノ、さっきの指で手足を刺して固定しな。」



<人型>の腕が伸び、5本の指が私の手足を貫き、中空に磔にする。



「アアア゛ァ゛ァ゛ァ!!」



身を貫かれる痛みに悲鳴、いや絶叫を上げる、もう動かせる手足が、無い。



「いい眺めだなぁ、王国最強ちゃんよ?」



豚がまた下卑た目で私を見る。睨み返すしか、できない。



「くそ、…この……豚め……」


「へ、豚か。良いね。豚豚。豚で結構。雌豚さんよ?」



余裕の笑みを浮かべる、クソ、まだだ、まだ魔法は使える。



「―Buamed dr…


「止めろ」



<人型>の腕が動き、突き刺さったままの手足を抉る。



「ギッ…ァ…」



集中、出来ない。詠唱、出来ない。畜生、畜生、畜生、



「そういや、さっき護衛3人の話をしてたな。続きを聞かせてやるぜ。」



聞いても居ないのに得意げに豚が話し始める。



「あいつらは親父が薬を飲ませて昏倒させてから、身包み剥いで森に捨てた。


その後は<合わせ鏡の指輪>で入れ替わらせて、王女を拉致させるつもりだったらしいぜ?


成功してたら<召喚されし者>もついでにな。


そんで<召喚されし者>を人質にして王女を手篭めにする気だったんだろうが…ざーんねん。届くのは俺の所。


王女を抱いて王になるのは俺、って寸法だったんだわ。ヘヘヘ。」



結局、王女は届かなかったがな。ま、多分コイツの腹の中だろうな。そう言って<人型>を叩く。


何を…言っている?


そんな事をして王位が得られる、と本気で思っているのか?コイツは…



「…何のつもりだ。…クソッ…冥土の土産とでも…言いたいのか?」


「へ、へ、へ、残念ながらちげぇよ…おい、バケモノ、こいつの鎧をひっぺがせ。」



<人型>の口腕が、私のハーフプレートの胸部を掴み、千切る。さらに千切る、千切る、千切る。


喉下、胸、腹、股間まで全てを千切り取られ、露にされる。



「ハッハッハー!いい眺めだな雌豚、


なぁに!王女をヤリ損なったから代わりにお前でウサを晴らそうと思っただけだ!


ウサ晴らしだよ!ウ・サ・晴・ら・し!!


お前も聞いた方が抵抗する気になるだろ!そんなお前を無理矢理ってのがいいんだよ!!!


だがよぉ、なんだ?この胸は?色気が無いにも程があるだろう!!ハハハハハハ!!!」



殺意を込めて睨む。そうだ。私の胸はメルよりも、ソフィーよりも、


…というより比べるのも悲しくなる程ささやかだ。



「うる……さい、糞、が…」


「今度は糞ってか。まぁいい。そういやこーんな話を聞いたことが有るぜ。お前、『自分より強い男にしか抱かれる気は無い』とか言ってるらしいな。」


「………」


「だんまりか、だが、噂で聞いてるぜ?その主張と王国最強、って程の強さのせいで未だに生娘だ、とか?」



…それは事実だ。



「へへへ…今からお前はその『自分より弱い』どころかロクに剣も持てない俺に犯されるんだよ!


安心しろ。すぐに殺したりしねぇ!たっぷり犯して嬲っていたぶり倒して飽きたら殺してやるよ!


その前に俺のガキを産んでるかもしれねぇがなハハハハハ!!」



最低、だ。こんな、男に犯されるだと?ふざ、けるな。



「おぉ?まだ反抗的な目が出来るのか?いいねぇ、その鼻っ柱。へし折ってメチャクチャにしたくてたまらなくなるぜ。」



舌なめずりをし、カチャカチャとズボンを下ろす。下半身をむき出しにしていきり立ったソレを私の方へと向ける。



私が、王国最強の称号を得られた理由を、教えてやる。



「さぁ、記念すべき初体験だ。お前を女にしてやるぜ。いい声で鳴けよ?」



豚が私の太ももに手を這わせ、掴み、あてがおうとする。今、だ。



全力の無詠唱魔法を発動する。


今まさに私の純潔を奪おうとした豚の、股間にだ。



「ぎゃああああああああああああああああああああああああああ!!?」



豚が耳障りな悲鳴を上げ、転がりまわる。ざまあ、みろだ。



これこそ私が王国最強と呼ばれるようになれた理由の一つ。


切り結ぶ程に近接したならば何時でも致死級の一撃を任意の位置へ叩き込める。


殺傷力を持つほどの無詠唱魔法を発動できるのは王家の血筋以外に存在しないのだ。



豚の股間のものは炭化し燃え尽きた筈だ。ざまあみろ。



「私の、純潔を…奪う、前に……不能、に、なって…しまった…ようだな……は、は、は、」



嘲るように笑う



「て………め……え…」



股間を押さえ豚が私を睨みつける。一矢は報いた。



だが、ここまでか。残念だ。



一息付き、体の力が抜ける。


…諦め、かける。


しかし、心の中で何かがひっかかり、思い止まっていた。



そう、これは私の悪い癖。どうにも成らないと思うとつい思考を捨ててしまう。


諦め、投げ出すように。


今までだってそうだ。




ずっと自分の理想に合う男を求めて来た。


だけどそれは詭弁。怖かった。


今までの自分を捨てて、男に侍るような女に変わるという事が、理解できなかった。信じられなかった。


だからその価値がある男でなら、という事でそう言い始めた。


…勿論、それが逃げだと言う事も薄々理解していた。


本当は、とっくにそんな男は居るはずが無いと諦めていた。


居心地よい現状を変えたくなくて、うじうじ言っていただけ。


だが、そう、だがしかしだ。


思い浮かべたのは私の拳を軽く受け止めて見せたあの男。



こんな状況なのに、とくん。と胸が高鳴る。



可能性は高い。居るのだ、諦めなくてよかった。今ならそう思う。


私はあの男を試してみたい。そして理想通りなら、変われるかもしれない。


いや、きっと変われる。


だから、まだ、終われない。


まだ、私は、生きている。


諦めるには、早い。




もう一度力を込め、ボロボロになった自分の体を見渡す。折られた左腕は、槍をまだ放して居ない。



…なんだ、私の体も諦めて居ないではないか。



豚が立ち上がり汚い言葉を吐きながら私の顔面を、腹部を殴りつける。だが、大したことは無い。


笑みが零れた。本当に非力な豚だ。



「はぁ、はぁ、もういい!こいつを殺せ!お前のそのデカい腕を下から突っ込んで内臓を取り出してやれ!だがすぐには殺すな!!取り出した内臓を一つ一つ見せつけながら殺すんだ!!」



無茶を言う。本当にバカだな、この豚は。<人型>すら困惑しているではないか。


手足を貫いて居た指が抜かれ、地面に落とされる。口腕では太すぎる、とでも判断したのだろう。


と、思っていたら<人型>がそのまま膝をつき、地面に両腕をつき、その場にくず折れる。



…なんだ?何をするつもりだ?



「どうした!バケモノ!早くしろ!!分からないのか!?そいつの股ぐらにお前の腕を突っ込んで純潔を奪い子宮を引きずりだしてやれ!!」



えらく具体的な指示だな…、が、何かおかしい。


人型の左上腕に付けられた腕輪が明滅している。


炎にあぶられたせいか、一部溶けて居るようにも見える。


あれが、この<人型>を操っている魔道具か?


分からない、だが、多分そうだ。折れた腕を肩と体で動かし、穂先で狙う。


豚は気づいていない。命令を聞かない<人型>に怒りを露にして怒鳴っている。どこまで下種なんだ、この男は。



「<爆発(ブラスト)>」



石突のあたりで<爆発>を発動する。反動で全身が悲鳴を上げる、だがそれを推力に打ち出された槍は、狙い過つことなく腕輪を貫き、砕いた。



「てめぇ!まだそんな余裕が!さっさとしろこのバケモノ!!」



私が魔法を使った事に憤り、豚が<人型>を蹴る。


だが、それが不味かった。くず折れた<人型>が、豚を、見る。



「へ?」



間の、抜けた声だった。直後にどちゃっと音を立て豚が地面に倒れる。


一瞬の事だった。ただ、ブン。と振るわれた口腕で、豚の足の膝上から下の部分が食い千切られ、無くなっていた。



「ぎゃあああああああああああああああああああああああ!?」



まさに豚を絞め殺したような、悲鳴を上げた。



「オオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ!!!」



同時に<人型>が立ち上がり雄たけびを上げる。これで、<人型>が自由になってしまった。


しかし、まだ、もう一つ手が残っている。


それを使うまで、諦めない。こいつを、倒すんだ。



右腕で<人型>の腕輪を砕いた槍を掴んで引き寄せる。


ヴァンプレイトの裏側にあるトリガーを起動し、柄を変形させる。


もう一段柄が延長され、フォアグリップとフットレストが出、石突が変形、展開する。


この槍は、<魔道武具>だ。私専用に作った、最高の武器だ。


抱き寄せ、乗る、いや、横抱きでは乗っているとは言えないか。


そのまま体に密着させ、狙いをつける。目標は<人型>の胸の中央。



―J'orunens(―   我   が) Mouvor(魔  力  を) magiss..(食  ら)Forec(い  力) po() Ssio..(成  せ  ―)―」



短い詠唱。それと共に槍が俄かに光を帯びる。


これは呼び水。後は槍の機構が補ってくれる。さぁ、最後の、仕上げだ。



「―Perugh(―  刺) wiut(し  貫) Jeeux(け  ―)―<魔槍ヴェルスパイン>」



発動言語と同時に展開した石突き部分から赤、黄色、青と変色しながら高圧に圧縮された炎が噴出し、


先ほどとは違い今度は私の体ごと引きずり槍が飛ぶ。



さあ、<魔槍ヴェルスパイン>私の魔力を食らって行け。



浮き上がり、突き刺さる。だが、その直前に察知された。<人型>が体を捻り、穂先を掴み阻もうとと腕が動く。


その動作で狙いは逸らされ、狙っていた胸でなく鳩尾の下やや脇腹寄りのあたりを貫いた。


突き立った槍がこれ以上刺さらないようにと、<人型>が両手で槍を握り、抜こうとする。


もっと、もっとだ。少なくともこの槍が貫通しきるぐらいの傷を与えないと<人型>は倒せはしない。


魔力を込める。手も、足も動かないがそれだけは出来る。


私の全魔力を食らえ。そして、刺し貫け!



<人型>が推力に押され、足で地面を削り、浮く。そのまま加速し、屋敷囲いにぶつかり、止まる。


だが推力は落ちない。<一角竜の角>で作られた穂先も折れない。ズブズブとゆっくり深く突き刺さり、貫いて行く。



完全に根元まで貫いた所で、屋敷囲いが圧力に負け粉砕し、私と<人型>は敷地外の道へと飛び出した。

切りどころが見つからず長くなってしまいました。不覚。

次回からは長さも更新時間も普段どおりに戻ります。

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