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2つ目の異世界  作者: ヤマトメリベ
第2章 合流編
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2-8<貨幣と武器屋>

「あん?貨幣が何Gなのかって?………お前なんか常識の枠だと知らない事多いな」



今更何言い出したんだ、コイツ。といった言い方だった。


ギルドの会館でかなり遅くなった昼食を済ませ、次の目的地は武器屋だ。とオサと話しながら歩いていた。


熊にへし折られた剣の代わりの剣を、粗悪品じゃないまともな剣!を買いに行くのだ。


その際に、どうせだからついでにと、さっき困ったので確認したのだ。




「仕方無いだろ…」



実際この世界の常識はさっぱりなのだ。


他所の世界の知識が有るので「学があるな」と言われたに過ぎない。



「まぁそうか。じゃ、そうだな。下から行こう。お前が持ってるのは全てこの国の共通硬貨。ベルム硬貨だな。で、」


「まず小銅貨は1G、中銅貨は10G、大銅貨は100G。

 んで小銀貨は1000G、中銀貨は1万G。

 そしてその上が小金貨で10万G、さらに中金貨で100万G。

 その上はもう金塊だな。1億を越えるとでっかい金塊にどーんと発行国の紋が打刻されたのになる。

 圧巻ではあるんだが、重くてロクでもねぇ。貯めたいヤツ用だな。」


さっきも思ったがやはり長さ・距離と同じの10進法。さらに一、十、百、千、万、10万、100万、まで硬貨とは。


当然ながら紙幣は無いようだ。



「銅貨だけ大があるんだね」



とりあえず聞いて思った疑問をそのまま口にする。



「希少性の問題だな。銀と金は少ないから大が無い。つまりそういうことだ。」



なるほど、そういうことか。




◆◆◆◆◆◆◆◆




そうこう話している間に武器屋に付いた。大きな街だけあって店もかなりのものだ。


中に入り、飾ってある武器を眺める。


分かりやすいところで剣、槍、斧、ナイフ、片刃の剣や鈍器、弓、…手裏剣にこれは靴べら??他にも色々と、良く分からないもの。



『ふーむ。良い物はモンスター素材の物が主流で、ただの金属製の物はロクな物が無いの。』


「ミスリル製とか他のでも良いけど魔法金属で出来た武器はないのかな?」



キョロキョロと見渡す。


ミスリルやオリハルコン、アダマス鋼と言った類の魔法精錬されたものぐらいの耐久度でないと、<水環鋸(ルト・アサンダー)>に耐えられない。


耐えられる物がないと<多連層水環鋸>も使えない。それは不便だ。



『ない、の。硬度のみで言えばモンスター素材のものがそれに近いの。じゃが、耐久度はお話にならんのう』



残念だ。最悪自分でなんとかするしかないのか?


俺でも加工できるような素材が有れば良いのだが。


やり方は知らないけど…



とりあえず一通り目を通す。値段にもだ。


見る限り同じようなサイズの剣でも安いものと高いもので、数10倍から軽く100倍以上も値段に差がある。


傾向として金属製の武器は安かろう、悪いかろう。なようだ。



「どうだい?お眼鏡に適う武器はあったか?」



オサが一回りして見飽きたのか、こちらに話しかけてきた。



『うーむ。おんしにはこの<女王螂の剣>あたりが良いのではないか?素材はそこそこ、サイズはぴったりのようじゃが』



マールが指したのは<女王螂の剣>を加工して柄が付けられた両刃の剣だった。サイズは柄まで合わせて1mと少し程度。


<女王螂>森で対峙した相手を思い出す。…確か向かい合って頭の高さが2m半そこそこあった蟷螂のようなモンスターだ。


4本の後ろ足で素早く異様な機動をし、鎌でなく大剣のようになった全刃状の両腕でなます切りにしようとして来る。


他には女王の名の所以と思われる上半身部分の胸やウエストと言った趣の、無機質であるが女性的なラインが印象的。ただしその上の頭は人では無かったが。


記憶にあるそいつに比べると、加工されて細く短くなっている分も含め半分強程度の小ぶりな刃だが、確かに俺にはぴったりの大きさに思えた。



「よし、これにするか。」



<女王螂の剣>で出来た剣を取る。お金に余裕があるので予備にもう一本同じサイズのものを取る。


<女王螂>は両手が剣だった。この2本は恐らくその両手だろう。


柄の周りは基本的に同じ意匠だが、微妙に対になるようアレンジがされている。なかなか洒落たものだ。



剣を持って店番のおばさんの下へ向かう。


1本21万G。2本で42万G。オサが交渉して2本で40万Gになった。良い買い物だ。



「…その剣で家が建つぞ」



オサが勿体無いと言いたいのだろう、恨めしい感じの声を出す。だが仕方ない。命を預ける武器は良い物である方が良いのだ。


ホクホク顔で店を出る。興味があるものを見ていると時間が経つのが早いもので、もうすぐ夕方だった。

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