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2つ目の異世界  作者: ヤマトメリベ
第2章 合流編
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2-1<商業都市アルモス>

ソフィー失踪から14日、家を飛び出して9日目の昼過ぎ。私はアルモスにたどり着いた。


上空から見下ろす。アーリントン程ではないが、相変らず大きな街だ。


いや、以前よりも一段と大きくなったのだろう。


この街はおよそ30年程前に今のアルモス卿が治めるようになってから急速に拡大している。


それ以前は森の近く、という事もありそれほど大きくも無かった。



…もちろん何故大きくなったのかは知らない。


私も城代としてアーリントンを治める以上その秘訣は知っておいてもいい気はしたが………


以前城代としての職務で招待された時に見たアルモス卿を思い出す。



…記憶にある私をじろじろと見る視線が実に気に入らない。しまった、見るからに嫌悪感を催す男だった。


忘れよう。アーリントンにはアーリントンのやり方がある。うん。ここと違って海もあるし。



気を取り直し、ワイバーンで着地用地に降下する。


…着地した途端に兵士に囲まれた。



「申し訳御座いませんが、身分証か何かをお持ちでしょうか?現在アルモスでは非常事態宣言が出されておりまして、お持ちで無いようでしたら拘束させて頂かざるを得ません。」



非常事態宣言、とは穏やかでない。


ともあれ、例によってアーリントン家の紋章の入ったタグを見せる。



「メリアルーナ=ルグス=アーリントンだ。こっちは我が家のセバスチャン。アルモス卿に用があって来た。」


「確かに、失礼しました。メリアルーナ様。アルモス卿ですか…数日前に神殿に向かわれて、只今帰路の途中だと思われます。今日か、明日ごろにはお戻りになられると思うのですが…」


「そうか、済まない。ありがとう。…仕方ない。この街で待たせてもらう事にする。」



今日明日戻ってくる男を今飛び出して捉えた所で意味は無いだろう。それならば別口で情報を探るべきだ。


この街にも草は居るし、ギルドと軍の詰め所もある。話を聞いておいて損はないだろう。



2匹のワイバーンを兵士に任せ、まずは遅い昼食にしよう、と考える。


そういえばここの所の食事は旅の粗末な物だった。ここは豪快な料理が良い。


豪快な料理と言えばギルドだ。あそこの受付は食堂も兼ねているので食事がてら情報も聞きだせる。一石二鳥だ。


そうと決まれば後は行くだけ。セバスを連れて街へと繰り出した。





◆◆◆◆◆◆◆◆





…メリアが街に着く数時間前に時間は遡る。



馬車に揺られる事7日目の朝、ユート達もアルモスにたどり着いていた。


途中ギルドの討伐隊の人と合流し、狼の群れに襲われたりしながらだったが、


その危険度はモンスターには比べるまでも無く、概ね平和な旅だった。



アルモスの街の城門では、ソフィーの予想どおり検問が敷かれていた。


オサが代表して説明をし、「村人には身分証なんてねぇぞ?」と言うと面通しで良い事になった。


全員、面通しをする。調子に乗ったマールが目立ったが、ソフィーも含め全員が通行許可を貰えた。



そう、今俺とソフィーは髪と目の色が変わっており、気づかなかったのだ。


マールの能力によって俺の髪は栗色になり、目は焦げ茶色。ソフィーは髪も目も見事な空色になっていた。


オサが「オレも!オレも!」と言ってねだったのだが、マールにやってもらっても変化が起こらなかった。


曰く



『おんしアルビノじゃろ?元々色素がダメじゃから異常を与えても変わらんのじゃ』



という事らしい。オサがしょげていた。


それから、魔法の反応がしなかったので、好奇心から「これは魔法なのか?」と聞いたところ


『これは妾の能力じゃ、魔法ではないの。』と否定された。では、なんなのか?


『魚が素早く泳ぐ為に最適にヒレを動かす事が人間の体で想像できるかえ?それと同じじゃ。人には無い器官のようなもの。理解はできんよ。』


分かりやすく?例えて説明された。確かに腹ビレとか背ビレとかは全く想像できない。魔族もなかなか奥が深いものだ。





そんなこんなでアルモスに入り、馬車を預けて宿を取ったころには昼前になっていた。


ここからは分かれて行動しよう、という事になり俺とオサとマールはギルドへ、


ソフィーはシズクさんとヤスさんと買い物に出かけた。



「ギルド職員の方なら私の顔を知っている可能性が有りますので…」



と、同行を諦め、村の畑がやられたので食料を買って帰ら無くてはならないらしい二人に付いて行った。


危険では無いだろうか?と思ったが何か必要な物があるらしく、譲らなかった。


まぁマールやオサと一緒に居たほうがかえって目立って危ない、という話だし…


確かにヤスさんとシズクさんと一緒なら目立たないだろう。そういう訳で別行動だ。


そして今俺はギルドに居る。


居るのだが…猛然とケンカを始めた酔っ払いの剣と大食いのお姉さんの拳の間で仲裁をしていた。


どうしてこうなったのだろう…

ついに帰って来た主人公。これからは視点が時々変化します。


昨日の更新で初投稿から一月が経つのですね。思えば早いような長いような、そんな一月でした。投稿当初数週間程は毎日ストックが減っていくのに書き進める事が出来なくなり、真剣に苦しみましたが、今は何とか書き溜めております。何となくで書き始め、折角これだけ書いたのだから投稿してみよう。と安易に始めた事ですが、沢山の方が見てくださり、楽しんでいただけているのでしたら感無量です。

物語はまだまだ序盤ですので、これからもユート達共々よろしくお願いします。

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