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2つ目の異世界  作者: ヤマトメリベ
第1章 二人の逃避行編
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7-3<オサ1>

「す、すまねぇ、オサのとこさ案内するだ、ついてきてくれ。」



ゆっくり歩いたらあっさり見失ったので、二人でと村を見学していたらさっきの村人が戻ってきた。


正直何を見ても目新しかったのだが、別段後ろ髪引かれる事でもない。


素直に案内され村長の家に向かう事にした。




◆◆◆◆◆◆◆◆




「…でかい」



周囲の家の基本は1階建て、まれに店舗らしき建物が2階建て。


だというのに村長の家はさらに大きい3階建ての建物だった。



「…宿も兼ねているのでしょう、この辺りでは唯一の3階建てのようですし」


「村長の家が宿も兼ねるものなの?」


「それはたまたまだと思います。とりあえず村に一つは立派な宿泊施設はあるものなのです。身分の高い人が通りかかって休む時に必要になりますから。」


「へぇー」



そいうものなのか。と納得し、開けられた引き戸のなかなか広い敷居をまたいで家に入る。



「オサー!オサー!討伐隊の人を案内してきたぞー!」



村人が中へ入り村長を呼ぶ。



「ぉー!食堂に通しときなぁー!」



奥の方からドタバタバサバサと何かを持ち出し、散乱させて漁るような音と共に


村長?の声が聞こえる。



「…今の声は?」


「若い娘の声のようでしたね?」



村長の娘か何かかな?


とりあえず入ってすぐだった食堂に通されて二人で椅子に座る。


食堂というよりは町の酒場だな、と見渡して思う。


5〜6人がけぐらいのテーブルが4つにカウンター。


これで棚と酒瓶が並んでいたら完璧だ。まぁあまり酒は好きでは無いのだが。



「すまねぇ、またせたな!」



そうこうしていると、先ほどの声が聞こえ少女がやってきた。


見たところ、10歳そこそこ。仕立ての良い感じの白と赤を基調とした衣服をまとい、


ほどけば腰どころか膝裏まではあるだろう見事な白髪を頭の左側で一つに纏めて垂らし、


鮮やかな黒と朱色の髪飾りで留め、軽く結い上げている。


そして印象的なのがやや目尻のつり上がった大きな赤い瞳。


幼いためキツい印象は無く、元気な少女といった所か。



「遠路はるばるすまねぇ、迅速な対応と到着、感謝するぜ。で、…アンタらが討伐隊か?他の連中は?」



少女がこちらの顔を確認して怪訝な顔をする。だが、



「・・・」「・・・」



二人して黙り込んでしまう。どういうことだろう。そもそも何故、この少女は誰?



「あん?どうした?ハトが豆鉄砲食らったような顔して?」



また日本のことわざが出た。そもそもハトが居るのかこの世界?


思考が脱線してさらに混乱する。どうしよう、とりえあえずソフィーに目配せする。



(誰、この娘)


(わかりません)



よし、だめだ。



「オサ、オサ、自覚してください。自分の見た目が子供だって事。」


「あー・・・・・っとおいヤス、オレは子供じゃねぇ、つってんだろ!」


「ヒィ」



オサと呼ばれた少女が第一村人を睨む。そうか、ヤスっていうのかあの人。犯人はあの人だな。


そしてどうやらこの娘が村長で正解らしい。黙っていてもラチが開かない。とりあえず口を開く。



「えと、始めまして、(オサ)さん。俺は『蒼鈴 勇斗』。ユートです。」


「私はソフィーと言います。」


「ユートにソフィー、っと。うっす。始めましてだな。オレはオサ。オサ=ルトス=アルストラ。この村の村長やってる。こんなナリだが最長老だ。敬ってくれて構わない」



…そういうことらしい。言ってることは分かるが、内用が理解できない。


あと「オサ」というのは村長の「長」で「オサ」と読むのでは無く彼女の名前だったようだ。


まぁ村長でも有るらしいが。何かややこしくなってきた。


だがそれよりもさっきの言葉でもう一点、気になった事がある。



「…最長老?」


「おうよ、ホレ、見なこの耳。オレ、長寿族。」



そうやって自分の耳を左右に引っ張る。昔アニメや小説で見たエルフのような長耳では無いが、


明らかに普通の人のそれより大きく、尖った三角の耳。少なくとも今までこんな人間は見たことがない。


そして、長寿族?前の世界は人だけだったが、この世界は亜人も居るのか?


どうやら異世界強度はこちらの世界が上のようだ。



「ルトス…?どうしてこんな所に長寿族の方が…?」



どうやらソフィーにはそれなりに馴染みのある種族のようだ。



「只の家出娘だ。んなことは気にすんな。それよりアンタらが討伐隊かい?他の連中は?まだ着いてないのか?」


「いえ、我々は討伐隊でなく、えと、旅人でして」


「あん?どういうことだ?」



…色々と話に齟齬があるみたいだ。説明しないとダメだろうなぁ

ついに現れた亜人系。ファンタジー系のお約束の一つですね。今後も色々な種族が登場する予定…です。まだ大分後になると思いますが…

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