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2つ目の異世界  作者: ヤマトメリベ
第1章 二人の逃避行編
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2-2<モンスター>

この世界でモンスターと呼ばれるものは、元は動物や植物や人間だったものが高濃度のマナに犯され変質し、全身を作り変えられたものであるらしい。


その行動原理は、まさに食欲のみといった所で、同族のモンスター以外と見るや、兎に角食おうとしてくるらしい。


繁殖するのか?と聞くと、かなりの量のマナを蓄え巨体になったものが、分裂して増えるらしい。


だからか知らないが同族では共食いはしないそうだ。なるほどね。


疑問点は多々有るが、今は気にする事でもない。





モンスターが何なのかはおおよそ分かったので、さらにこの近辺に居るモンスターはどんなものか聞いてみる事にした。



「この森に居るモンスターって分かる?」


「そうですね、色々居ますが動物は概ね全てと考えた方が良いです。鼠や狼などの獣、鳥、植物、虫、この森ではマナをその身に蓄積するものはおよそ何でもモンスター化しています。」


「そっか、何か特徴とかはあるのかな?」


「大抵のものが異常に大きくなって、元のころより物凄く動きが速くなっています。他にも元々には無かった器官が存在するそうです。」



なるほど…そういえば道中見たネズミは50cmはあった気がする…



「小型のものでも50cmぐらいあります。さらにこの森で最大のものでは10m程にもなります。そしてこの森では目撃されて居ませんが、竜など巨大なものになると50mとかにもなるそうです。」


「そっか…侮れないな、…というか今、センチメートルとかメートルって言った?」


「はい。えっと、それが何か…?」


「いや、凄く慣れ親しんだ単位だったから…さ?とりあえず聞きたいんだけど1メートルってこのぐらい?」



軽く腕を開いて1mぐらいにして止める。



「はい、大体そのぐらいかと」


「センチメートルってのは1mの百分の一?」


「そうですね。メートルの上の単位はキロメートルと言ってメートルの千倍になります。」


「とりあえず聞いて見たいんだけど、重さはグラム、キログラム?」


「そのとおりです。」


「…良く分かった。どうやら色んな単位が俺が元居た世界と同じようだね。」


「かつての<召喚されし者>が決めたと聞きます。<召喚されし者>の特徴は毎回変わらないので同じ国の人だった…とかでは無いでしょうか?」


「その可能性はあるね………」



なるほど、だから氏名も普通に理解できたと、そういうことだったのか。



「ユート様も見た目は言い伝え通りなのですが、大分私の知っている<召喚されし者>と違うようなのですが…例えば召喚された直後の<召喚されし者>は魔力はあるのに魔法が全く使えない。と伝わっています。」


「そうだろうね。俺が召喚されるのは2回目だから」


「…どういうことでしょうか?」


「一度こことも元の世界とも違う世界に召喚された事があっただけで…何か来る」



何かがこちらに接近してくる。既に後およそ500mぐらいの距離だ



「モンスターですか!?」


「そこそこ大きい、1mはある生き物がこちらに来てる。……1、いや2匹だ。」


「どうしましょう………」



ソフィーの声が震えている。さっきの説明通りなら野生動物よりも危ないのは確かで、やはり怖いのだろう。



「戦ってみる、付与のかかってないナイフ出してもらえないかな?」



ソフィーが不安そうな顔をしてナイフをポーチから取り出す。


モンスターとはそれ程に危険なのだろう。



「どうぞ」


「ありがとう」



これを投げて刺されば剣でも切れるだろう、刺さらなければ剣に<強化魔法>を流して切るしかない。


マールが<硬固>をかけてくれている。多少の魔力なら砕けはしないだろう。


それで駄目なら…いやそんな事はそうそうないだろう。俺の<強化魔法>をこめた剣は魔王すら切り裂いた。切れるはずだ。


残り150m程、もうすぐ見えるはずだ。


ナイフを抜いて投擲の準備をする、


120…90…60…見えたっ!


茂みから何かが飛び出して来る。そこを狙ってナイフを投擲、と同時に駆け、剣を抜き放つ。見えた敵は兎か?


ナイフが角らしき物の生えた兎の頭部を直撃する。


一気に頭部へ根元までナイフが刺さり、さらに柄ごとめり込み見えなくなる。角付き兎が車に轢かれた人形のように縦回転してはじけ飛んだ。


・・・・え?


想像以上の状況に一瞬戸惑うも、そのまま2匹目に接近しすれ違い様に剣で首を切り落とす。


<強化魔法>をこめた訳でもないのに、あっさりと切れてしまった。


絶命した巨大角突き兎の首と体が勢いそのまま10m程転がる。弾け飛んだ兎もドスリ、と地面に落ちた。


数秒ピクピクと動いていたが、完全に動きが停止する。と同時に兎の体が崩れていく。



…魔族の最期と似ている。



もう5年以上前になる激戦での事を思い出しつつ消える兎を眺める。


完全に消えた死体のあった場所には小さな<魔導心臓>らしきものと投擲したナイフ、


そして投げたナイフと同じような刃が転がっていた。

モンスターの説明と実戦。ついでに単位の回でした。

主人公最強系の運命なのか…戦闘がついついあっさりになってしまいがちです…

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