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彼を追いかける事に疲れたので諦める事にしました  作者: Karamimi


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第26話:僕は諦めないから…~エディソン視点~

第26話:僕は諦 悪夢の様な夜会から、既に2ヶ月が過ぎようとしていた。実は僕は1ヶ月ほど前から、父上の指示で王都から遠く離れたマッキーノ侯爵家の領地に来ている。


 表向きは体調不良による療養という事になっているが、実際は僕がこれ以上問題を起こさない様にするために、父上がこの地に閉じ込めているのだ。


 あの悪夢の夜会後、何とかアンリを取り戻そうと、誘拐を企てたが失敗に終わった。そう、直前のところで、父上に見つかってしまったのだ。


 “エディソン、何てバカな事をしようとしているのだ。そもそもアンリ嬢は、グレイズ殿を心から愛していると言っていたではないか。それに何より、権力を使って既に婚約済みの令嬢を手に入れようだなんて、今思えば外道のする事だったんだ…本当にスリーフェイル伯爵家とダニルーディン伯爵家には申し訳ない事をしてしまった…”


 そう言って唇を噛んだ父上。さらに


 “お前は少し、領地で頭を冷やせ。いいな!それから、お前が全く改心しない様なら、弟のエディオンに爵位を譲る事も考えている”


 そう言われ、領地に連れてこられたのだ。エディオンは今11歳だ。正直僕は、アンリを妻にできないなら、侯爵なんていう地位は興味がないから、弟が欲しいというなら喜んで譲る。


 僕はアンリさえいれば、それでいいのだ。


 そもそも僕は、どこで間違えてしまったのだろうか…

 入学式でアンリの姿を見た時、絶対に彼女を僕の婚約者にして、他の令息が近づけない様にしよう。すぐにでもスリーフェイル伯爵に僕の婚約者にして欲しいと頼むつもりだった。それなのに…


 僕は、太陽みたいに笑うアンリが好きだったんだ。アンリが笑ってくれたら、僕も嬉しかったはずなのに…それなのに、僕はいつの間にか、アンリが僕の為に一生懸命行動する姿をもっと見たい…僕に断られ悲しむ姿をもっと見たいという、歪んだ欲望に変わっていった。


 それがそもそもの間違いだったんだ。変な欲さえ出さなければきっと今頃…


 考えれば考えるほど、絶望に打ちひしがれるのだ。今頃アンリはどうしているのだろう。グレイズの奴と、幸せに過ごしているのかな…


 そう思っただけで、どうしようもない怒りがこみ上げている。アンリは僕のものなのに…と。


「坊ちゃま、お食事をお持ちいたしましたよ。いつまで部屋に閉じこもっていらっしゃるおつもりですか?いい加減、悩んでいても仕方がないでしょう」


 僕の専属執事が、ため息を付きながら小言を吐く。


「別に僕がどう過ごそうと関係ないだろう…僕はもう、大切な人を失ったのだから…」


「坊ちゃまはまだ、15歳でございます。これからいくらでもやり直すチャンスはございます。ですから、どうか前を向いて下さい。私も出来る限り協力いたしますから」


 やり直すチャンスは、いくらでもある…か…


 アンリとグレイズが結婚するのは、早くても貴族学院を卒業する1年後、だとすると…それまでに王都に戻り、アンリを攫ってしまったら、僕にもまだアンリを取り戻すチャンスはあるかもしれない。


 そうだ…

 どうして僕はそんな簡単な事に気が付かなかったのだろう。いい子に戻ったふりをして王都に戻り、アンリが結婚するまでにゆっくりと準備を整えればいいんだ…


 そして、アンリを連れて国を出て他国で暮らそう。ただ…平民として働くのは御免だ。だから、お金はしっかり準備しないと。一生家族を養えるくらいには貯えないとな。


 よし、そうと決まれば、こうしちゃいられない。すぐに準備を始めないと。

 待っていてね、アンリ。必ず迎えに行くから…

※次回最終話です。

よろしくお願いします。めないから…~エディソン視点~

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