姉は、可愛いだけじゃなく天才だった
選んでいただきありがとうございます。
「ユーリ見ててね。ウィンド」
リリが、手をかざして唱えると、目の前に小さなつむじ風が起こった。
「それでね、次はサンダーって言うとね…」
風のなかにピカピカと光る物が見える。これは、小さな稲妻かな。
「次はね、ウォータって言うと…」
「うわっ!冷たっ。ちょっとリリ、水が跳ねてる。」
つむじ風の中から、どんどん水滴が飛んできて、周りにいる人みんなが、びしょ濡れだ。
「アハハハ。ごめんなさい。でも、面白いでしょ。全部一緒に魔法をかけられるのよ。」
姉が天才過ぎる。
可愛いの天才だと思っていたが、それだけでなく魔法でも神懸かっているなんて、やはり女神だったのか。
「いやあ、まさか光と闇以外の全ての属性の魔法が使えるなんてね。俺でも3属性までしか使えないのに、姪に負けるなんてちょっと悔しいな。」
リック兄様は、悔しいと言いながらも笑顔で嬉しそうだ。
リリと同じくらい、目をキラキラと輝かせて、「次は、火属性も追加しよう」なんて言いながら、二人でいろんな魔法を試している。
リリの魔法について分かったことは、魔力が多いだけでなく、《火、水、風、雷、土》の5つの属性魔法が使えること。
普通、魔法を使うには、固有の名称を唱え魔力を調整して、魔法発動と魔法の規模を調整する。
例えば、火の玉ならファイヤーボールと唱えて、流す魔力を少なく多くしながら、大きさを調整する。
でも、リリは、火属性ならファイヤ、水ならウォータだけで、火の玉から水の玉、火柱から水の柱まで、何でも自由自在。なので魔法を幾つも纏めて同時に発動することも出来ちゃう。
さっきから、ウインドとかサンダーとか言ってるけど、たぶん何も言わなくても、リリは魔法を使えると思う。
魔法は、イメージが大事らしいが、リリは想像力や発想力が凄いので、瞬時に魔法を使い、独自の魔法を編み出す事が出来る。
もしかして、これが噂のチート?
リック兄様でも、名称なしで魔法を使うのは大変だと言っていた。
魔法の天才だと、リック兄様が興奮していたな。将来、魔法師団に入るように勧誘までしていた。
リリは、眩しい程の女神の笑顔で、魔法の研究が出来るなら行きたいと、リック兄様の言葉に頷いていた。将来安泰だ。
ラスボスルートを回避出来るなら、魔法師団入団も良いのかもしれない。リリも乗り気だし、純粋に魔法を楽しんでいる。
あとは、魔力過多症がこれ以上悪くならないように、リリの体と心を守れればいい。
魔法を使えば、それだけ力が付いて魔力も増える。そこは、リック兄様が調整しているから、心配はないだろう。
あとは、心だ。感情の昂りなどで、発作を起こすことがあるから、リリが安心して過ごせる環境が必要だ。
――ということで、
やって来ました。ビッガートルの本邸。王都から少し離れるだけで、緑が増えて自然が優しい。
騒がしい王都と違って、ここなら思う存分ゆっくり出来るぞ。
乙女ゲームや小説の事も、暫し忘れて思い切り自然を楽しもう。
次も読んでみたいと思って頂けたら、ブックマークをぜひお願いします。
『つまらない』『まあまあ』『いいね』など何でも思った気持ちを★~★★★★★で評価、応援してもらえると嬉しいです。
よろしくお願いします。




