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太陽に憧れた雨男

 今思い返してみても、随分と中身の濃い三年間だったと思う。おそらく、俺のまだ短い人生の中では、トップクラスに充実した年月だった。勉強は勿論、部活も、そして恋も。青春なんて言葉、俺とは一生、縁が無いと思っていた。だが、薔薇色の人生という奴も、意外と悪くないものだったと思う。……いや、薔薇色というよりは、玉虫色のような、もっと複雑で、もっと色とりどりの生活だった気もするが。

 そんな荒波の中にいたからか、高校に入ってからというもの、外見は大分和らいで、昔の姿に戻りつつある。昔の、まだまっすぐだった頃の俺に。

 でも、中身は昔のまま。あんまり変わっていない気がする。

 人は“永遠”を求めるが、俺はそんな物は要らない。少しの間だけでも、俺を信じ、俺と一緒に居てくれる人がいる。

 それだけで、十分だとは思わないだろうか。少なくとも、俺はそれで満足だ。


 俺は雨が嫌いじゃない。――それは今も変わらない。雨の日は雨の日で、風情があって良いものだ。

 俺は太陽が好きじゃない。――それは違う。俺は太陽も、嫌いではない。まぶしくて見えはしないが、日の光にあたるのは気持ちが良い。

 今となっては、嫌いな物はほとんどないかもしれない。どうして毛嫌いしていたのか分からないものも、沢山ある。否定するのではなく、とりあえず受け入れてみる。その姿勢だけは確かに、身に付いた得難い財産かもしれない。

 そして――“嫌いではない”という事は、どうやら俺にとっては、“好き”という意味らしい。


 今までは、誰かに守ってもらうばっかりだった。これからは俺も、誰かを守れるような、そんな人間になれると良いな。




 ぱたんと、俺は卒業アルバムを閉じた。あの高校で過ごした日々が俺の原点であり、今の居場所を作ったと言っても過言ではない。だからこうして、たまに昔を振り返ったりもする。

 自分の意志を、決意を、再び強固なものとする為に。

「さぁ、じゃあ今日も頑張りますかね」

 そうして俺は、黙々と仕事にいそしむ。一つでも多くの事件を解決する為に、一人でも多くの人を、救えるように。

 もっとも、解決しているのは、俺じゃ無かったりするんだけどね。


これにて本当に、文芸同好会の、綾野怜文の物語は終わりです。

以前よりも青春していたと思うのですが、いかがでしょうか?


最後の文章は、実はこれから書こうと思っているとある作品に繋がっていきます。

ですので、今は何を言っているのか分からないと思いますが、後々この謎は明かそうと思っております。

そんな訳で、またどこかでお会いする日があると思います。

その時はどうぞ、よろしくお願いいたします。

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