表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
4/73

お兄ちゃんは最高です。

カートの上には 

修学旅行で泊まった

ホテルのような朝食が並ぶ。


スクランブルエッグ

カリカリベーコン

ソーセージ

クロワッサン

ポタージュ

オレンジジュース


「妹達に食べさせたいなぁ」

こんなお洒落な朝食みたら

泣いて喜ぶだろうな。


「記憶喪失もここまでくると、もはや別人だな。」

青髪の若い人が近づいてくる。


「お兄ちゃん?」

私の言葉に目を丸くする。


「まさかエステルが

俺の事をお兄ちゃんなんて呼ぶ日がくるなんてな。」


「じゃあ、お兄ちゃんではないんですね?」


「否、兄ではあるな。

ただし義理にあたるがな。俺は養子だよ。

エステルの代わりに

侯爵家を継ぐために遠縁から養子に出されたんだ。」


「じゃあ、お兄ちゃんでいいんですよね。

嬉しいなぁ、弟妹しかいなかったから、お兄ちゃんて憧れだったんですよね。」


友達のお兄ちゃんや

お姉ちゃんの話を聞くたびに羨ましかった。


そんな憧れのお兄ちゃんが私にも出来たのだ。


「お兄ちゃん。」


「なんだ?」


「お兄ちゃん。」


「だから何だよ‼」


こんなやり取りも

新鮮で嬉しい。


「朝からよく食べるな。」


気がつくとカートの上は

空になったお皿ばかりだ。


「アハハハハ…

ついつい美味しくて」


「そっか………

良かったな。

まずは体を治せ。

後はそれからだ。」


そう言って部屋を出ていった。


どうやら私のお兄ちゃんは照れ屋で無愛想で優しいお兄ちゃんみたいです。



評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ