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お約束通りの記憶喪失だそうです。

煌びやかなお部屋に

ヒラヒラな服を着た外国人が、私をのぞきこむ。


「ハローハワユー?」

片言の英語で話すも

外国人達は涙を浮かべ

私を抱きしめる。


「エステル、良かった。」

「目が醒めてくれて良かった…」


「エステル?

誰?それ?」


それより廃棄弁当は無事かしら?

今夜はカツ丼が珍しく残っていたのよね………


私はベッドから立ち上がり


「あれ?」


立ち上がり……ません。


水色の髪をした若い外人が「エステル、覚えていないのか?

お前、落馬して頭を打って倒れたんだ。

落馬時に足を捻挫してしまったんだよ。」


足元を見ると包帯でグルグルの右足が…


「あのぅ、私は金子里麻と言います。

エステルさんとは誰でしょうか?」


外国人達が顔を見合わせる


すぐさま医者が呼ばれ


私は無事「記憶喪失」になった。


青色の髪をしたおじ様が

「あんな事があった後だから、かえって良かったかもな。」とつぶやく。


銀色の髪の女性が泣きだす


私の知らない所で

話しはすすんでいく。


「まずは絶対安静で……」

という

医者の診断で、

私は解放された。


頭の中で整理する。


今、得た情報は

私はエステル。

落馬して頭を打って意識不明からの復活。

現在、右足を捻挫中。

青髪のおじさんが、お父さん。

銀髪の女性がお母さん。

青髪の若い人がお兄さん。

最近、あんな事があったらしい…


「駄目だちっともわからない。」


カツ丼、食べさせたかったなぁ…


明日の妹の髪、誰が三つ編みしてくれるのかしら?


明日になれば夢なら醒めるでしょう。


私は少しだけ期待して目を閉じた。

どうか明日は帰れますようにと。


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