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ある魔導士の帰還  作者: 勝 ・ 仁
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ギルド設立



デクシスが帰って来た翌日、早々にアルが帰って来た。

まあ、16式で走り回っているのだから、当たり前と言えば当たり前だ。

後部ハッチが開いて、銀月の連中と猫獣人の親子が降りたあと、ゆっくりと

この国の国王が降りて来た。


  「ただいま~、いや~疲れた、疲れ、ゲフッ」

サナ「アル様!お帰りなさい!」


16式を降りた途端に、サナが飛び込んで来た。

俺が追い詰められたあの日から、サナは俺に対しての愛情を隠さなくなった。

絶対強者だと、思い込んでいたのに、まさかの大怪我だ。

また、愛する人が自分を置いていってしまう。

途轍もない恐怖を感じたと同時に、死ぬなら一緒が良いと思ったらしい。


サナ「アル様!アル様!アル様!あるさま?………雌の匂いが………する………」

  「ちがう!誤解だ!聞いてくれ、サナ、いててててててててて」

直也《おう、アル、浮気はいかんぞ、浮気は》

  「だから、違、いててててて、つ、爪が、爪があぁぁぁ」


いくら、魔導士だからって、いつもローブを着ている訳じゃない。

特に、ユリアは、此処に居る時には、完全に気を抜くようになった。

直也やメイド達に加え大量のゴーレム、最近は修羅と言う警備兵型までいる。

これ程、安全な場所は無いだろう。

結果、ユリアは、着飾るという、今まで考えもしなかった楽しみに目覚め、俺は

楽だという理由で、ラフな格好ばかりしていた。

今も、帰り着いた途端に、防御魔法が山ほど付与されたローブを異空庫に仕舞い

込んだばかりだった。

結果、抱き着いたサナの爪が、俺の背中に食い込んだのだ。


   「誤解だ、サナ、これは、そこにいる保護した獣人の親子の匂いだ」

 サナ「ほんとに?」

   「勿論だ、それに彼女はそこにいるバルガが娶る予定だ」

バルガ「はい、俺が、面倒を見るつもりです」

アイラ「誤解させてしまって、申し訳ありません、奥様」

 サナ「お、お、おく、さま?えへ、えへへへへへへへ」


突然、奥様と言われたサナが嬉しくて、腕から力が抜けた。


実は、アルは結婚を決めてから、その事をサナに告げて了解を貰うという手順を

きちんと踏んでいた。

そして、感極まったサナにそのまま、押し倒された。

何とか、最後の一線だけは成人するまでは、と、踏みとどまったが、それ以外は

もう、なし崩し的になっていて、夜など、必ず腕の中にサナがいた。


  「ただいま、サナ、誤解は解けたかな」

サナ「はい、ごめんなさい、アル様」

  「いやいや、誤解させた俺が悪いから」

サナ「いえ、私が、早とちりしたから、やきもち焼いて」

  「やきもち焼いてくれたんだ、嬉しいな」

サナ「アル様………」

  「サナ………」

直也《いい加減にしろ、この馬鹿カップル、少しは周りの迷惑を考えろ》


銀月の連中も、アイラ親子も、迎えに出て来た子供達も、砂糖を口から吐きそう

な顔をしていた。


 リリ「………おねえちゃん………」

 ルナ「とても人に、見せられないの………」

 ミア「あまり人に、見せられないの………」 

モルナ「生意気なんですよ、近頃、それとサナも、もう少し控えて」


近頃、子供達は体だけでなく、精神的にも成長著しい。

それは、小さい子ほど、顕著にあらわれた。

理由は間違いなく直也の存在だろう、食事も安全もすべて保証された環境で

聞けば何でも答えてくれる存在が、傍にいるのだ。

存分に疑問に答えて貰った子供達の知能が発達するのも、当たり前だった。


クリッカ「ま、まあ、久しぶりなんだし、ねえ、そう思うだろ」

デクシス「でも、すこしは控えた方がいいような気が、する様なしない様な」

 モルナ「もう、ハッキリしないわね」


三人が自分たちは、良識ある行動に心掛けていますアピールをしている最中に

俺が特大の爆弾を放り込んでやった。


  アル「余裕かましてて良いのか、スクナって狐人族の女の子がデクシスの妻

     になる為にドランから、来るそうだぞ」

 バルガ「ああ、あの子ですか、確かにそんな事言ってたな」

 シャラ「もう、隠れ里を出てるんじゃないか?」

デクシス「えっ、そうなの?いやあ、困ったなぁ」


デクシスの声にほんの少しだけ嬉しさがにじんだ。

まああ、健全な男の子なら、自分がモテた、という事実に、にやけてしまうのも

当たり前だが、今だけは駄目だ、デクシス。

それは、悪手中の悪手だ。


  直也《あっ、馬鹿!》

 モルナ「デ~ク~シ~ス~」

デクシス「ひっ」

クリッカ「あ~あ」


このドタバタ劇が終了するまで、たっぷり三十分ほどかかった。

お陰で、全員が一か所に集まって来てしまった。

まあ、今後、全員の顔合わせなど、中々、無いだろうから、構わないが。


 直也《いい加減に落ち着いたかな?》

 「「「「「「すいませんでした」」」」」」」

 直也《ここでは、何ですから、本庁舎の会議室に移動しましょう》


前々から直也と話していたが、我々の最大の弱点は人材不足と無組織だ。

今までは軍事優先できたが、これからは、その結果として人口の増加が目の前

に迫っている。

1つ残らず直也一人でこなす事も不可能ではない、それどころか余裕でこなせる

だろう、しかしそれでは、健全な国というか、国ではない。

ただの、実験施設だ。

それでは駄目だ。

この世界の国は、この世界の者が動かさなけっればならない。

そもそも、直也は俺の親友なのだ、五分の友人だ。

何もかも頼るなんて真似ができるものか。

今でこそ、何もかも任せているが、少しづつでも、替えて行くつもりだ。

だから、今、全員が集まった状態で、全員の要望を纏める事にした。


    「希望する仕事が有れば言ってくれ、でも一人だけ、サーシャさん」

サーシャ「は、はい」

    「冒険者ギルドのギルドマスターをお願いしたい」

サーシャ「はい、覚悟はしてましたが、当分は色んな準備ですね」

    「手伝いなら、こいつらを使ってくれ、銀月の四人だ」

    「どうも~×4」

サーシャ「………何だか、軽そうなんだけど、あんたら等級は?」

 バルガ「個人だと5級が三人、7級が一人、パーティーで6級だ」

 レゴス「どうも、レゴス、5級だ」

 ファラ「ファラ、同じく5級」

 シャラ「シャラ、みそっかすの7級だよ」


ギルドの等級は10等級に分かれており、10級が見習い、登録して3か月がこれだ。

9~8級が新米、7~6級が一人前、5級が一流、4級などは各ギルドの看板クラスで

二つ名持ち位でないとなれない、3級以上は設けてるだけで、3級怪物、2級人外、

1級英雄、に与えられる事になっているが、ギルド設立以来、誰ひとり、3級以上を

受けた者は居ない。

つまり、創設者はとんでもなく夢想家だったって事だ。


サーシャ「ベテランじゃない、使いでが有るわね」

 バルガ「お手柔らかにお願いします」

    「彼女は、ジリエの副ギルドマスターだったからな」

サーシャ「あと、この子達も冒険者よ、駆け出しだけどね」

エミリア「エミリアよ、こっちがカタリナとリンティ、みんな9級よ」

カタリナ「よろしく、先輩方」

リンティ「ども~」

エミリア「パーティー名は竜の巫女よ、よろしくね」


女の子を見て、レゴス達の鼻の下が伸びているのは、仕方がない。

まあ、女性の冒険者は、少ないらしいし、冒険者の男は一般の女性からは、敬遠

される。

収入は安定しないし、死亡率も高い。

夫にするには、リスクが高すぎて、まあ、ぶっちゃけ相手にして貰えない。

つまり、冒険者の女性、それも若いとくれば、非常に貴重な存在だ。

その後、彼女達の下僕に成り下がった三人を見て、バルガは頭を抱える事になる


  「当分は護衛依頼と、農園の周辺警備ぐらいだが、金は俺が出すので、安心

   してくれ」

直也《ああ、それと農園に居るのゴーレムは全部俺の部下だから注意してくれ》


その後、みんなの希望を聞いた上で、ギルドの酒場と宿屋の運営をお願いした。

話の途中、マレーナの老人トリオが冒険者になると言いだしたトラブルがあった

ものの、概ね収まってくれた。

ちなみに、老人Sには、モルナの果樹園の手伝いを、お願いした。


これで、取り敢えず、おおむね配置が決まり安心した。


バルガ「ぜひ、剣での立会をお願いしたい」


はずだったのに、この脳筋馬鹿のせいで台無しだ。



     《えっ、死にたいの?》



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