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ある魔導士の帰還  作者: 勝 ・ 仁
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坑道の少女

      

 「おら ‼ 早く立て クソガキお前が最後なんだよ」


そう言うと男は小さな獣人の女の子を思いっきり蹴飛ばした。

”ボグッ”と音を立てて3マト(約3m)ほど転がった先では、もう一人の男が足元に

転がって来た、まるでボロ雑巾の塊にしか見えない少女をみて煩わしそうに吐き

捨てた。


「ああもう又かよ、これもうダメだろ。」


口から血を流し虚ろな目をしているが、まれに痙攣している所を見るとまだ死んで

は無いようだ。


「クソ!こんな獣人のガキばかり送って来やがって 世話する身にもなりやがれ」  

「よく言うよw世話なんかした事ねえくせに。それに上の連中が決めた事だ。」

「まあミスリルの採掘には、ちっこい 獣人が便利ってこたあ知ってるけどよお~」

「あんまり殺し過ぎると採掘量が減っちまうぞ」

「どうせもうすぐ閉山だろ?構やしねえよ。」


ゴブリン討伐の折、洞窟でミスリル鉱床を偶然発見してから50年、もうほとんど

掘りつくしてしまい、今や採掘量は1ヶ月でコップ1杯程。

いくらミスリルが高価としてもこれでは馬車の1台位しか買えない

完全な赤字だがそれでも採掘を続けるのは、様々な錬金や付与魔法に

使える軍事物資だからに他ならない。


「それはいいけど、これ、お前が片付けろよ」


そう足元の少女を指さした。ほおっておけば此処で死んでしまうだろう。


「めんどくせ~」

「自業自得だ」

「よし!天国と地獄をやろうぜ」


そして1.5マト(約1.5m)程のロープを2本拾い上げた。


「又かよ…まあ稼がせてもらうからいいけどよ」


そして仰向けになっている少女の足にロープを結びつけた。


「むむ?何か今回は勝てそうな気がする。」

「毎回言ってるな、それ」


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