第九話 「夜を超えて」
第九話だよーん
時計の針が九の文字を指していた。
「じゃあ俺もお風呂入ってくるわ」
「はーい」
俺は階段を降りてバスルームに入った。ここで先程まで一緒にお菓子作りの話をした女の子がシャワーを浴びていたのか。
そんな想像をしながらさっさとシャワーを済ませ、俺は部屋に戻った。
さっきまでいた部屋の電気は消されてて、カーテンの隙から一筋の月の光が差していた。
よく見ると高島さんがベットで横になっていた。
いっぱい買い物して、帰り道にも迷って結構歩いただろうからそりゃあ疲れるよな。
俺は床に布団でも敷こうかと思ったその瞬間、高島さんが俺のTシャツの裾を引っ張った。そして彼女は目を瞑ったまま眠そうな声で言った。
「一緒に寝よ」
ゑ?
絵!
江?!
えっ?!
えぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ??!!
何この状況?!
ラブコメでも見たことねぇぞ、この状況!!
このまま隣で寝たらなんかの犯罪に問われないかな?
てか俺に言ったのかな?いや、俺以外この部屋にいない。
ちょっと背筋が冷たくなってきた。
やばいちょっと怖い。
そもそも一緒に寝よって言ったのかな?
なんかの言い間違いじゃないかな?
『一緒に寝よ』じゃなくて『衣装にねこ』って言ったのじゃないか。
いやいや、意味わからん。
わかった!一緒に寝よって隣で寝るってことじゃなくて、同じ部屋で寝ようって事か?
その説が一番濃厚だ!
いや待てよ、俺は元々そうしようとしてたし裾を引っ張る意味がわからない。
頭の中で高島さんの『一緒に寝よ』という声が無限リピートされながら俺はいろんな仮説を立て、彼女の言葉を解読しようとした。
「だから一緒に寝よーて」
今度は腕を結構強めに引っ張られ、困惑してた俺はバランスを崩し高島さんの横に倒れてしまった。
シングルベットに高校生の男女が二人?!いろいろまずくない?高島さん恥ずかしくないの??
それに顔の距離近っー!
てか肌白っ、肌綺麗、ほんとに同じ人間?
高島さんは口を少し開けながら寝息を吐いている。
自分の顔が赤くなっているのは自分でもわかった。熱くなっているのを感じた。
長い時間見てると興奮して眠れなくと思った俺は隣にいる彼女に背を向けた。そして俺も眠りについた。
なんとか時間に間に合いました!
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