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#6 量産型『予言の勇者』
結論からいうと、VSチンピラ三体のバトルは勇者くんの勝ちだった。1対3だ。しかもわたしという足手まといを抱えている。勇者くんにとって不利でしかない状況は、彼を苦戦させるに十分だった。それでも勝ったのだから、すごいと思う。
思うのだけも。
(「勇者」、なんだよね……?)
なんていうか、ほら、思ってたのとちょっと違う?
違うといえば全体の印象からもう違うんだけど、冗談でも勇者を自称するんだから、もっとこう、「勇者」って馬鹿みたいに強いんだと思ってた。ギャップっていうか。気弱そうなモブグラフィックは仮の姿、実は最強呪文も使えるし指先一本でドラゴン倒しちゃうんですみたいな。
ゲームであれば=主人公であり、主人公を育てることがゲームの面白さの一つなので、勇者といえど序盤はもちろん弱いんだけども。
そんなわたしの空気が伝わったのか、勇者くんが悲しそうに笑んだ。
「ひどい話ですよね、……『予言の勇者』って、世界に一人だけじゃないんですよ」




