平凡なのですが
────平凡。
よくそんな言葉を言われる。ここで俺の自己紹介だ。
俺の名前は ミト・シーミー。しがない村人だ。
歳は17、顔立ち平凡。特に秀でたものもなく、苦手なこともなし。人並みに泣き、人並みに食べ、人並みに笑う。
友達は多いって訳じゃないけど少なくもない。
王都ハルンから少し離れたレック街のまた少し遠くにあるジャーズ村のこれまた少し遠くにあるウォレック村で毎日畑を耕してる。
この村の規模はそれなりで人口は200人程度、土地はまあ大きめな方で人口密度を計算したら、まあ広いほうじゃね?みたいな感想を抱く程度だ。
さて、ボチボチ語った訳だが、まあ、そうだな。うん。
平凡!!!!
だな。いや、自分でも思ってるんだよ。平凡って。だけどさあ、勉学─平凡。 狩り─平凡。 家事─平凡。
そう。そうなんだ。ホントに平凡なんだ。全てを人並みに努力して、全てを人並みに終わらせる。
そんな、生活だ。つまらない、そう思う人もいるだろう。自分でもそう思う。詩人が僕を語れ、と言われても、僕ほど語れぬ存在は中々いないだろう。
「よう、ミト。罠の調子はどうだ?」
この俺に話しかけてくれる1人、幼馴染みのリグナ・オンタ、性格よし、外見よし、村長の息子と家柄もよし、の王子様君だ。リグナはホントいいやつで俺の親友だ。そう思ってる。うん。
今日も185はあろうかという背と美しい金髪がマッチしてる。
ヒュー。
「聞いてくれリグナ。俺の落とし穴という最高の罠の話を。」
「そうか。お前また落とし穴か。俺と一緒に違う罠、作ろうか?」
「いや、いいよ。俺は落とし穴一筋で生きていく。」
「そうか、じゃあまた。」
「ああ、じゃあな。」
終始笑顔で受け入れてくれるリグナ。いい奴や。
さてさて、話にもあった通り俺は今、落とし穴を作っている。作っていた、か。なぜ作っているかっていうとまあ、狩りの為だ。動物がつれたらよし、魔物がつれたら尚よし!
あ、ちなみに魔物ってのは魔大陸に住む魔王が生み出す部下みたいな奴のことで、多種多様な魔物は全て魔王が生み出している。魔王ってのは圧倒的強さを誇っていて本来なら人間が立ち向かっていい相手ではない。だけど職業神殿で強力な職、
【勇者】など持っている者は魔王と戦えるほどの実力をもつ。
まあだけど人間負け気味なんだけどね。
魔王は死んだら次に強いものが魔王となる。今は107代目くらいだったきがする。対して勇者勢は510代目くらい。
いやもう人間がどれだけ負けてるか分かるだろう。特に今代の
魔王。インク・モルガンは50回くらい防衛に成功してるらしい。
怖いねぇ。近寄りたくないわあ。もしこの村に魔王とか来ても
裸足で逃げ出しちゃうわぁ。
「あらミト。リグナ見なかった?」
そこに幼馴染み2現る。
フラグを建てようホトトギス。多分続きます。