三の王
レジ・トルニコスタ国・王城。
王の間。
ダラン王は、腕のディテクタで、ほかの王たちを呼び寄せた。
ふたりの、男と女の王が、映像で現れる。
ラップ人女性の王。ゾルガ人男性の王。それぞれ貫禄のある年の取り方をしている。ラップ人の女王は品があり、ゾルガ人の王は威風を感じる。
ふたりの王服は、ラップ人は肌とおなじ青色で、ゾルガ人は茶の服である。服にはそれぞれ豪華な金が散りばめられており、とても神々しい。一方、エルファド人のダラン王は黒のスーツを着ており、まるでただのサラリーマンのように見える。
「おふたりの意見をお聞きしたい」
ダランが言った。
ダランは腕組みして立っていた。ふたりはおおきな椅子に腰かけていた。
「マフィアの仕業なのだろうか」
ラップの女王が言った。
「おそらくは」
ゾルガの王が言った。
「連携を取って世界のマフィアの壊滅に着手するのとしよう」
「戦争が起こるぞ?」
「戦争に発展する前にすべての決着をつける」
「そこまでうまくゆくだろうか……」
「うまくやらなければならない。それがわれわれの使命だ」
「うむ……」
「奉謝のかぎりです」
ダランはふたりの王に深々と頭を下げた。
「任せたまえ。われわれがちからにならないことはない」
ゾルガの王が言う。
ダランは頭を下げている。
「ええ、そのとおり。あなたのそばに、われわれは寄り添い続ける」
ラップの女王が言う。
ふたりの映像が切れるまでダランは頭を下げ続けている。
ふたりの王には感謝しても感謝しきれない。
こんなにも若い人間を王に選んで頂いたのだ。
ダランはふたりに一生かけて感謝していくことだろう。