表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

15/16

東京地下道1949■第15回鉄と争うムサシはロシア人達に殺される。そのロシア人達を片付けたのは、竜の兄、乾公介だ。彼は米軍のために働き、鉄、竜、恵を逃し地下道の出入り口を塞ぐ。

東京地下道1949■第15回

作 飛鳥京香(C)飛鳥京香・山田企画事務所

漫画の描き方manga_training動画



ビルの前に乗り捨ててあった、ベンツを目ざとく見つけた男達がいた。

ソビエト、MGBのエージエントだ。彼らは銃を構え、ビルヘはいっていく。

ムサシの大きな背が、彼らの目にはいった。


ムサシは,鉄の首を、残った右手でしめあげようとしていた。

MGBのエージエントの男達の消音読が火を吹いた。

ムサシは鉄の体の上に倒れる。


そのショックで、鉄の意識がもどってきた。

鉄の上に、ムサシの血まみれの体が、のしかかっていた。


三人の男が、物色している。

ロシア人だ。


鉄はナイフに手をのばし、ロシア人の一人に投げた。

一人の男のノドに当る。

男は窓ガラスをつきやぶり下へ降ちる。残り二人は消音拳銃を発射するが、弾はムサシの死体にのめり込むだけだ。


倒れていた竜が、おきあがりざま、二人の男へ向け撃った。

一人は即死。残り一人は手にあたっただけだ。

挙銃をおとし、逃がれようとした。             


乾公介は、MGBのエージェントの監視を続けていた、

その部下からの、至急の報告を受けた。


ムサシのアジトの前に車を止め、音の聞こえた二階へあがろうとした。


ロシア人は階段の踊り場で一人、日本人が立っているのに気がつく。

日本人は、落ちつきはらった様子で銃をむけた。

それから、消音器で、その男の額をぶち抜き、ゆっくりと二階へあがってきた。


「待て、打つな、俺は君達の味方だ」

乾公介は、大きな声をあげた。


「何、味方だと、変な所にころがりこんできて、何者だ。おっさん」


鉄が、ムサシの体をようやく押しのけ、立ちあがっていた。

竜は、頭をふらふらさせながら、かろうじて、銃をこちらに向けていた。


竜に一瞬の変化が起った。

しばらく、乾の顛をながめていたが、驚いた様子で言った。

「あにき、兄さんじゃないか 。俺だよ。弟の竜介だよ」


「ああ、竜介!」

乾公介の口に、にがいものが走る。

汗がでる。

思わずだきしめている。

「死んだものと思っていた」


くそっ、何んてことだ。よりにもよって弟、乾竜介が。


しかし、あのプランは完遂しなければならない。と乾公介は,思った。


だきしめていた竜介をはなし、言った。

「いそげ、ここはまかせろ。新手がやってくるぞ」

 窓から、五台の車が急停車するのが見える。


「恵、妹の恵は、どこだ」

竜がさけぶ。


一部始終を見ていたらしく。恵はしぱられ、気を失なっている。

鉄は、恵をかつぎあげる。竜もあとに続く。


兄の公介も続いている。

抜け穴の入り口にはいったところで、公介はいう。

「それじゃここでか別れだ。私はこの穴を塞ぐ」

「何だって、兄さんはどうするんだ。」

「まかせて分け、俺は荒事にはなれているんだ」


「またあえるよね、かならづ」

竜が、兄の顔を見上げて、心を込めていう。

しかし、公介の心は乾いている。

「もちろんだ。必ずお前達を捜し出すぞ。さあ早くいくんだ」


三人が抜け穴に消えたあと、公介はダイナマイトをしかけ、抜け穴の入り口を、吹きとぱした。

公介の後には、音も立てずに五人の男が近よっていた。

公介は、銃口をゆっくりと、下ろした。


「乾チーフ、これでよかったんですか」

間があった。公介は、やがておも重しげに、

「そうだ、作戦終了だ。あとは、ソビエト軍が動き

出すのを待つだけだ。すまんが一人にしてかいてくれないか」

         

乾公介一人を置いて、五人の米軍OSSのエージエントは

建物の下へ降りていった。


続く090901改訂

作 飛鳥京香(C)飛鳥京香・山田企画事務所

漫画の描き方manga_training動画

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ