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カエデ姉の知らない話

銀色に輝くスライム系宇宙人ことトモサカは、10年ほど前に迷子になった我が子を探しに地球へとやって来ていた。当時はトモサカと同じ種の宇宙人が問題を起こし、宇宙連邦により種全体が星間渡航禁止となっていたので、地球まで来れなかったのだ。

念願の我が子を見つけたと思ったら、アレルギーにより暴走。以前と同じ問題を起こしてしまったトモサカは、宇宙連邦に向けて事態の報告書をまとめていた。

カエデの妹であるカナデは、トモサカの宇宙船に備えられた医療ポッドの中から、その様子を見ていた。


「ごめんねお父さん。迷惑かけちゃって」

「構わないよ。そもそも君とはぐれた私が悪かったんだからね。こんなデータよりも妻に何と言って謝ればいいのやら......」


銀色の体が、くの字を描いている。おそらくトモサカは項垂れているのだろうと、カナデは思った。


「お母さんって何をしてるの?」

「種の代表として、宇宙連邦に務めているよ。我々の仲間は擬態が得意でね。様々な場所で諜報活動を主に行っているのだが、えーっと、地球では何と言うのだったか......。そうだ、金属アレルギーだ。それ持ちが多くてね」

「私も、そうだったと」


トモサカ曰く、擬態中に体質が変化しアレルギーを引き起こしてしまうので、事前に調べることも不可能。普通は擬態が解けるだけで済むのだが、擬態していた期間が長いと、自我や理性を失う場合がある事が、近年、発覚した。

カナデへ使用した検査キットに含まれていた金属により、アレルギー反応を起こし暴走。怪我人は複数出たものの、既に治療済み。破壊された街並みも修復が完了している。

1番ダメージが大きかったのは、擬態が解け、慣れない身体で暴れ回ったカナデであった。


「ねえ、お父さん。私ってこれからどうなるのかな」

「そうだな、暫くは監視付きになるだろうが地球での暮らしを続けるも良し、私と一緒に星に帰って暮らすも良しだ。カナデは、どうしたい?」

「私は......」


カナデは、地球で暮らした家族との日々を思い出した。口うるさいが料理の上手い母、休みの日にはいつも遊んでくれた父、気の合うモテない姉。

たとえ自分が偽物の娘だったとしても、自分を家族として受け入れてくれるであろう暖かな家庭を思い、カナデは笑った。


「お父さんみたいな性格イケメンの彼氏をカエデ姉に自慢したいから、お父さんと一緒に行く」

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