30 襲撃
ゾネの優位は試合が終わるまで続いた。
ミーナの魔法も、テイン達の予想も虚しく、試合は2分も経たずに終わった。
「...まあ、ミーナは頑張っただろう。」
「そ、そうだな...」
「ちょ、ちょっと用事を思い出したわ。」
(この空気きつ...)
さて、やることないしカイトのとこでも行こうかしら。
医務室に来たカーナはカイトの寝ているベットの近くにあった椅子に座った。
(.........暇だなあ。寝るか。)
カーナの意識は次第に薄れていった...
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大会の決勝戦が始まり、少し経った後...
カーナはある音で目を覚めした。
『グルグリョオオオオオ!!!!』
(――――っっ!? こ、この鳴き声は...)
カーナは医務室を飛び出し外に向かった。
その額には汗が浮かんでいる。
会場の外に出たカーナの目が見たのは
(やっぱりか、亜種竜...!!なんでこいつが生息域を離れてまで来るのよ!)
本来亜種竜はよっぽどのことがない限り生息域の山を離れない。
そんな亜種竜が山を離れ人里にやってくる。
理由はなんだ?わからない。
考えを巡らせている途中、耳に男の、テインの声が響く。
「カーナ!ブレスが来るぞ!」
その忠告を受け、先ほど出てきた通路まで逃げ込んだ。
しかし、カーナの目は見てしまった。
逃げ遅れる生徒、あの位置では確実に死んでしまう。
(助けないと...いや通路まで間に合うか...?間に合わなかったら?ダメだ。助けないと。でも失敗したら?私も死ぬ。いやでも...私が助けないと...)
間に合う。今なら。守れる。あの時みたいに、守られるだけじゃない、手を伸ばせば、助けられる。
「あ...」
でも、ダメだった。間に合わなかった。炎が晴れた後に残ってたのは、さっきまで動いていたもの。いまでは全身の皮が焼け、焼死体があるだけである。
(あ...ああ,,,。また、私のせいで...。迷ったせいで...たすけられたのに...)
仲間の声、銃声、忘れられない音が脳に響く。
打ちひしがれ。座り込んでしまった。
「カーナ!大丈夫か?!」
反応はない
「おいテイン!速く戻ってこい!お前がいなくなるだけでも大分きついんだ!」
「わかってる!今行く!カーナ...動けるようになったら安全な所まで逃げてくれ。」
そう言ってテインはカーナを壁に寄りかからせたあと、亜種竜との戦いに向かった。
「悪い、遅れた。状況は?」
「...特に進展はない。鱗が固すぎてなんもできん。ブレスを防いでるだけだ。ほかの者は観客の避難に向かわせている。」
「そうか...。当主が四人もいるのに聞いてあきれるな。」
「ああまったくだ。」
今この場にいるのは、
『壌遊族』当主 アノラ・ミーティアス
『海遊族』当主 バン・オーム
『雷虎族』当主 カイラ―・アンペア
『氷狼族』当主 テイン・ドライオン
の四人。
すさまじい力を持つ七大貴族、しかしその力を持ってしても亜種竜に決定打を放てずにいた。
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