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第三話 森に囚われた魔導士 その一

 突然目の前にいる娘から名前を聞かされた、初対面でいきなり名前だけを聞かされても、、、、なんか変な娘にあってしまった。

 

 「え、えっと、、、、、、そっちが名乗ったのだから私も名前言ったほうがいいのかしら、私はイリスよ」

 正直こんな時間にこの森にいるのは普通じゃないし怪しむはずだけれど、でも向こうは警戒すらしてないし、不思議な娘ね。



 「、、、、こんな時間に、しかも森の中を歩いてくるなんて変わってるわね、あなた」


 それはこっちのセリフなのだけど!!!!!!



 「そんなこと言うんでしたらあなたも相当変わってるわよ、人のことは言えないわ」

 まあこんなところにエルフがいるのはおかしいから訳ありでここにいるのは間違いないわね。



 「そうかしら、自分ではよくわからないわ」

 おそらくここには同じエルフの集落がないと考えていた。ここまで来るのに人が通った痕跡がなければ住んでいたような跡もなかった、どうやら一人で住んでいるように思えていた。


 それを考えているとパルスィと名乗るエルフの女性が私について聞いてきた。



 「、、、、あなたはどこから来たの?ずいぶん服がボロボロだけど、、」

 「あ、ほんとだわ、夢中で逃げてきたから気付かなかった」

 逃げるのに夢中で自分が今どんな状態の恰好化気付いていなかった。



 「、、、、追われているの?」

 「まあたぶん、、、でもこの森は誰も入れないみたいだから追っては、、、、、ん?誰も?」


 私は自分の言った言葉に疑問を感じた。

 「(そういえばどうして私は入れたのかしら、この森には確か幻術魔法がかけらていて入っても森の外に出るって聞いていたのに、、、、、)」

 


 この森は昔、ハイルラ帝国である幻術使いの魔導士がとある実験の失敗が原因でハイルラ帝国全土に幻術が発動したため、甚大な被害を出してしまった。そのせいで国家反逆罪、および殺人罪、器物損壊罪などほかの余罪も含めて裁判では有罪、死刑が確定してしまっていた。



 本人は成功するはずだったが一緒に研究していた魔導士に裏切られ、幻術効果範囲をハイルラ帝国全土に無断で設定されたことが原因であり、真犯人はその魔導士と証言したが誰も聞く耳を持たなかった。

 


 その後、死刑囚になった魔導士のその弟子が師匠を脱獄させ、パーミディアから離れて今のこの森に自分と助けてくれた弟子で一緒に住み着いて強大な幻術魔法を森にかけて自分たちを隠し続けた、追手が来ても入れなくするために。



 ハイルラ帝国は、第ゼロ級犯罪者の魔導士を逃がすわけにはいかないという事で各国に指名手配犯として情報を流してお尋ね者になった。


 第ゼロ級犯罪者とは第一級犯罪者の上をいく階級の罪人のこと。

 第ゼロ級犯罪者はハイルラ帝国の長い歴史で五本の指の数ぐらいしかいないとされ、一般人はほとんど第ゼロ級犯罪者のことは知らない。


 ほとんどの罪人が巨大な陰謀を企てていてもすべて未遂で終わっていることや短期間で処刑を執行されているため、名前は残っていない。

 

 だがこの魔導士は帝国を巻き込んだ騒動で国民を死なせてしまったため、首謀者を極秘に始末することができなかった。

 帝国が極秘に処理した場合、国民がそれで納得するわけがないことと皇帝陛下たちの信頼や忠誠がなくなり、帝国に反旗を翻す国民や兵士が出てくる可能性が高いと予測した帝国の上層部が、首謀者を国民の前で裁くという事になった。

 

 名前が残っていないのは大罪を犯した魔導士を歴史に名を残させないためと、収監した死刑囚が逃げたことを隠すため別の囚人を使って処刑執行を実行したことを誰かに知られないために書類からも名前を消すため。



 懸賞金は類を見ない額で一億ディア、小国の国家予算に近い額だったことで傭兵や冒険者、一国家までも必死になって捜索していた。だがハイルラ帝国は名前は明かさず似顔絵だけの情報だけを開示するだけだったため、情報が足りないとどこを探せばいいかわからず、その魔導士探しをしていたほとんどが悩んでいた。



 その魔導士探しのほかにケンタウロス、エルフ、ドワーフなどの異種族混合の捜索隊まであった。

 彼らはいつか自分たちの国を建てたいという夢を持っていたため、団結して捜索に当たっていた。

 異種族は種族ごとに複数の部族で構成されているため、他の部族から種族のプライドや威厳が損なわれると意見が割れ反発していたらしい。



 数年の月日が経ったころ、この森付近でまだ魔導士探しをしていた集団が、ハイルラ帝国が捜索者全員に渡していた魔法探知の魔導具を持ちながら探していると魔道具が光だし、森にいると確信したその集団が森に向かって進んだ。

 進んでいくにつれて魔道具の光が強くなっていった、だが開けた場所に出たと思えば、そこはその集団が最初に入った入り口の場所だった。


 道を間違えたと思ったその集団は入り口に数人を残してまた森の中に入った、だがまた入ったはずの入り口に戻ってきた。ここに魔導士がいると確信した集団だったが自分たちではどうすることもできず、ハイルラ帝国にこの森のことを伝えた。



 ハイルラ帝国はこの森に調査隊と称して暗殺部隊を送り込んだ。

 その結果、誰も中に入っても戻ってくるの繰り返しにより、この森には強大な幻術がかけられていて中に死刑囚の魔導士とその弟子がいると結論付けた。


 森を見つけた集団に懸賞金の一億ディアを与え、ここ一帯を立ち入り禁止にして、出られないように森には拘束魔法の最上級クラス、永久監獄をかけて魔導士探しはこれにより幕を下ろした。


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