02話 よくある神とのご対面
んっ...んんん、あ....んん....
??「おーい、早よ起きんかい!」
ドカッ、ベシィッ、グハァ
綺麗な3秒子だ。って
「いてぇぇ!何すんだ!」
目の前が真っ白になる程の痛み。結構きつい。
しかも僕たちは周りが宇宙のようになっていて、なにがどうなっているのか分からない。
そしたらまた誰かが叫んだ。
「落ち着け、落ちつくんだ、先ず状況確認..あり得ない、んなぁぁ!」
「「だめだこいつ、早く何とかしないと」」
こんな時でも皆は変わらないな。
さて、どうすんだこの状況。
しばらく経ってから遠くから声が聞こえた。
「ここは君たちで云う宇宙の果てだ。下手に動くと体の制御が効かなくなるぞ。」
「こんな危ないところにいてられるか!俺1人でかえらせてもらう!」
あっ、それ死亡フラグ...
案の定その人は宇宙の彼方へ行ってしまった。
「うわぁぁぁ!た、助けてくれぇ!」
さようなら。君の勇姿は忘れない!
(目を背けながら)
前に神みたいな服を着ている人(成人男性60歳ぐらいのおっさん)がいる。ああ、痛々しくてみてられないよ、同じく厨二病患者として...
「おい!そこのおまえ!私は厨二病患者では無いぞ!」
心が読まれた!?
いや、露骨に目を背けていたからか。誰だ?
一応聞いてみるか。
「あの、どちら様で?」
「よく聞いてくれた!我は神!すなわちお前らの世界で言う創造神だ!」
此処で皆の意見が一致した。
そう、ああこいつ頭逝ってんなと。
「おい!そんなこたァどうでもいい!早く家に帰らせろ!」
クラス1のヤンキー(そもそもヤンキー1人)が声を張り上げた。それに賛同し、皆も口々に文句を言い始める。
「アニメ最終回なのに」やら「今日〆切なのに!」とか「昼寝したいのに」とか。
最後何処でも出来るだろうが。
ザワザワして来たから自称神が収まるまで其れを眺めていた。
しばらくして、皆は静かになった。何故なら、さっきから何も自称神が話さなくなったからだ。
すると、ピッと音がなり、神(笑)が口を開いた。
「はい、今みなさんが静かになるまで11分21.2581秒かかりました。」
クラス全員「律儀に測ってんじゃねえよ!!」
それに切れたクラス全員が叫んだ。
「まあ、落ち着きたまえ。今から俗に言う異世界召喚で貴様たちが呼ばれる。それに対する特典を付けに来たのだ。」
やっと紙がまともな事を言った。
というか特典譲りって本物の神!?
いや、まだ分からない。慎重にいこう。
「ほう。それは素晴らしい。特典とは、こちらが決めて良いのだな?」
クラス1のアニヲタが聞いた。
(偽)神はしかし、その特典を授けるにあたって対価がいる場合がある。と言った。例えば...
勇者の剣を貰っても持てなかったり、
すごいスキルを貰ってもmp不足で永遠に使えなかったり、凄い身体能力を貰っても1秒で移動不能になったり。特典の対価は最悪だった。
「おい!対価やばいだろこれ!殺す気か!」
俺は叫んだ。そしたら皆からも「そうだそうだ!」や、「この老害が!」と野次が飛ぶ。
「ふむ、そうか。きつくない対価が来るものを選んでおこう。少し待っててな、....ほいっと」
神がそう言ってタッチパネルを触ると、全員ふわっとした気持ちになった。
「どういう特典つけたんだ?」
クラスの人が聞いた。すると、
「成長するのが早くなる特典だよ!あとは人によるがな。頑張ってこ...ん?お前...?」
神がこっちを見てきた。此奴よく見ても唯のおっさんにしか見えないなぁ。
「君、魂の色が...成る程。」
は?此奴やっぱり神じゃなくてオタクか?
「あ、きみの特典だけ間違えちゃった!がんば!」
お、おい大丈夫か!?やばいって!!
髪(神)が隣にあったボタンを押した。
すると、上にあった謎のハッチが開いてタライが落ちてきた。
パコーンっと金属音がした後、
目の前が真っ白になった。