表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
退屈部は退屈しない  作者: 似純濁
9/11

幕間その3 眼鏡

ある日の放課後。

私は面白い推理小説をちょうど読み終え、めちゃめちゃ機嫌が良かった。

窓から校庭に向かって叫びたい気分だ。

部室に入ってからもずっとニコニコしてたら、千代さんに怪訝そうに見られた。

「あ、千代さん。眼鏡に水滴が……」

完璧で隙のないイメージの千代さんにしては珍しい。

「ご指摘ありがとうございます」

と言って眼鏡を外そうとする。

あ……良いこと思いついたっ!

「ちょっと待ったぁ!千代さん、三つ編みほどいてから眼鏡外して!」

「何故ですか?」

「いいからいいから!」

氷が「あっ……」と呟いて赤面した。こちらの真意がわかったようだ。というか、なんだその反応は

そう!これは二次元を愛する者の夢!

「よくわかりませんが……こうですか?」

千代さんが髪をほどいて眼鏡を躊躇うように外す。

うわ……外し方がもう萌える……。わ、私、やばい人じゃ、ないからね!

「千代さん……可愛いです……ごちそうさまです……」

私は、ほくほく顔で合掌した。

「あぁ、そういうことか!何だっけ、眼鏡っ娘ってやつかな?」

庭戸尊は一人納得顔。

「そーそー。柚兄は眼鏡属性あったよね?」

「……なっ!おい、杏!違う!」

「眼鏡属性って、眼鏡かけてる人が好き、みたいな人のことだよね?おお、初めて見た!」

柚兄はまだ全力で否定している。

「えーだって柚兄の初恋の○○って人も、小学校の保健室の○○先生も眼鏡だったじゃん?」

「おい!言うな!何で知ってる!やめろ!」

いやぁ……おもろいなぁ。

「保健室……ぶっ……すいません……」

氷が吹き出した。

「すいません……もうつけても良いですか?」

若干顔を赤らめて千代さんが言った。

「あ、もちろん、どうぞどうぞ」

「ありがとうございます……よくわからないのですが……なんだか、とても恥ずかしいです……!」

隙のない印象が強いのに、何ですかこのうろたえ方!あらあらまあまあ。

「千代さん、眼鏡外したら、すごい美人ですね!」

おい庭戸ー。そういうことを言うではないぞ。

「いや、眼鏡外さなくても……別に……」

氷は何やらボソボソ言っている。

でもこれで、私の夢の一つ(眼鏡外したら美人の人を見ること)が叶った!

ありがとうございます……千代さん。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ