第8話
お、おおおなんだこの微妙な空気は俺が勝手に感じているだけなのだろうか、さっきの事もあり気まずくない? アイルっていったっけ? なんかうつむきかげんで今俺の背中を洗ってくれている。
アイルが喋りかけてくれるが言葉がわからないのでありがたいことにゼウが翻訳してくれる、いやほんとこの空気の中助かります!!
そんな事を考えているとアイルが背中を洗いおえて流してくれてそのまま風呂につかる、いやぁー極楽極楽と呟きながらなにげにアイルのほうをみると湯気のせいもあるのだろう、やはり女の人にしかみえなかった。
とりあえず、ゼウが教えてくれたのはここは元々修道院で今は孤児院としてほそぼそとしていて、この土地の領主の息子の好意によりやっていけてるということ、そして先程の馬車がそれで小麦粉をわけてもらっていたのだという。
「どこの世界も大変ですなぁ」
俺がそう呟くとゼウがまぁ生きてりゃそういう事もあるさと返してくる、それを聞いてほんとに犬なんだろうかと思ってしまう。
それで今はミュウと、アイル後二人の子どもがいるとのことだった、おおおかなりシビアな現実! 俺なんかいててもいいんだろうか?
「なあゼウさん? あのー俺いててもいいんですかね?」
「まぁ、いててもいいんじゃねえか? ミュウが助けたんだしな、まぁあれなら仕事でも手伝ってくれでもしたらいいさ、男手欲しいしところだったし」
「そうかー、さすがに行くあてもないし1つお願いしようかな」
「それでいいんじやねえの?」
そんなやりとりをしつつ風呂からあがるのだった・・・にしてもアイルは本当にはなれそうにない(汗)