第83話
「みんなすごいな、オレも頑張らねーとなぁ」
祭の準備で活気づいている街中を歩きながらしみじみそう思いながら歩いている、アイルとシノブさんは踊りを頑張っているし、ブラウンは任されている祭の区画の警備や等々の打ち合わせで大忙しだ。
「それに引き換えオレときたら喋るだけ喋って何をしてるのやら」
ほんとうの事をいえばテツのアイデアのおかげでおお忙しなのだが、当の本人は実感がわいていない感じであった。
「はぁ~オレは何をやってんだか・・・」
そこらへんの店で買った揚げたてのコロッケを頬張りつつ呟いているとどこからか声が聞こえてくる。
「失礼するぜ、あんたがテツかい?」
「そうだけど誰だ?」
辺りをキョロキョロしていると、下だよと声が聞こえるので下を見ると、額に縦一文字の傷が入ったちょっとカッコいい感じのシェパード犬が座っていた。
「おお、初めましてかな? オレの名前は確かにテツ、それでアンタは?」
テツはそう挨拶をするとナチュラルにもう1個のコロッケをスッとさしだす。
「いいのかい? ありがたく受け取っておくぜ、ああオレの名前はスカーっていうんだよろしくな。」
そういうとスカーと名乗ったシェパード犬は美味しそうにコロッケを食べる。
「でなんのようだい? スカーさん」
「おお、忘れていたぜそうそう聞いたんだけどオレ達を使って街の警備の案を出してくれたんだって? その案のってやってもいいぜ」
スカーのいきなりの提案にビックリするテツ、"どこでそれを?"と、聞き返すと犬のネットワークってヤツさと自慢げに笑い返す。
「しかし・・・」
テツが何か言おうとするとスカ―が言葉を返す。
「心配するな、警備の件が終わったら報酬だけもらえればオレらはオッケーさ、アンタはその後の事まで考えてくれてたみたいだけどさ、それはそれで嬉しいが気にしなくていい、アンタにはアンタのオレらにはオレらの生活ってなもんがあるからな」
「そうなのか、そうだなそれぞれの生活ってもんがあるもんな、今回はわかったアンタ達の好意に甘えるとするよ、ありがとうなスカー」
テツが感謝の言葉をのべるとスカーはどういたしましてと言葉を返す。
かくしてテツの案である犬の力を利用した祭の警備の案が発足する事になるのであった。
そして、どうやって街の犬達にテツの案が伝わったかというとー。
「ほら、ガイア教の件で助けて貰ったネズミいただろ? あのネズミここにちょくちょく遊びにきていてな、たまたまその話を聞いていたらしくてな、そこから話が広がったらしい」
後々ゼウからそうそう聞いて、知らない間に近所のおばちゃん達の間に噂とかが広まるのってこういう事なんだなぁとしみじみ思うテツなのであった。




