第82話
「ふんふんふん♪」
舞台の日が近づくにつれ忙しくなっていくみんな、その中でリズムがスッカリ身に染み付いていて、何かしら身体を動かしていると歌を自然と口ずさんでいて、それが癒しとなっていた。
「どうしたのテツ、顔がふやけてるよ」
アイルが心配そうに覗き込む、最近振り付けなので可愛い動きが身に染みているせいか、はたまた本人が意識してやっているのかとても可愛く見えてしまう。
「おおおお、アイルかビックリするじゃねーか」
「あれれれどうしたのテツ? なんか慌てすぎじゃない?」
"畜生、ホントに女の子みたいじゃないか、振り付け師ハンパないって!"
心の中でそんなやりとりしながら"バッカちぇーよ?"と否定するテツなのであった。
「ふーん、ほんと? あ、僕ちょっとお風呂で汗流してくるね、じゃーね」
アイルがそういうとお風呂に向かうアイル、それと入れ違いにシノブがメイド服姿で飲み物を持ってくる、彼女もまた口ずさんでいた。
「ああ、シノブさん今日もお疲れ様、だいぶリズムが身についているみたいだね」
「ありがとうございますテツ様、おかげさまでスッカリ、それとテツ様もブラウン様との打ち合わせお疲れ様です」
「ありがと、なかなか沢山打ち合わせがあって大変で」
「大がかりな祭りで、色々大変ですからね」
「・・・で今さらで聞きたいんだけど俺なんで祭りの企画の打ち合わせにはいってるんだろうか?」
テツのその疑問にシノブが当然の様に答える。
「ほんと今さらですね、祭りに対してブラウン様とあんだけ話しこんでいたのに?」
シノブにそう言われて思い出す、祭りの話になった時に色々な事を冗談まじりで話をした事があって、それから何回かアイデアを提案した事は、あったけどアレかー。
「思い出されましたか? 何気なく話されていたつもりでしょうけど、ブラウン様にとっては斬新な塊だっていってましたよ?」
「そうなのか? それだったらいいんだけど」
「そうですよ、だからもう少し自信満々をお持ちください」
そう言いながらシノブはテツの肩に手をおき優しく揉みしだす。
「ありがとうシノブさん、また明日から頑張るよ」
「はい、頑張ってください」
シノブはそういうとニッコリ笑うのであった。
そして次の日。
ブラウンの館に打ち合わせで1枚の符をみせられる、それは茶色い符で何やら赤い文字で紋様が書かれており、真ん中に数字がかかれていた。
「ブラウンこれはいったい?」
テツがそういうとブラウンが得意気に話はじめる。
「まえにテツが話していたであろう? あるようでないようなお金の話、あれを参考に開発してみた、まあ限定的なもので祭でしか使えないが」
テツがそれを聞いて凄く感動する。
「おお、めっちゃ凄いじゃねーか、でどうやって使うんだ?」
「ふう、まあ落ち着け」
ブラウンがパチンと指を鳴らすとハツネが2つの箱を運んでくる。
「おはようございますテツ様、お疲れさまなのかしら」
「おお、ひさしぶり」
短いやりとりをしていると箱をテーブルの前に並べる、片方は貯金箱のようにお金を入れる口がついていた。
「まず、こちらに符をおいてお金を投入する」
そういいながら符を置くと金額が浮かび上がり、次いでお金を入れると浮かび上がった金額に投入した金額が加算される。
「おお、カッコいいなすごいなこれは大成功間違いないな」
テツがそういうとブラウンが"まだあるからまて"
といさめる。
次はもう片方の箱に商品をかざした後に符をかざすと金額が差し引かれていた。
「おお、やっぱりすげーな」
テツがまた興奮するとブラウンは得意気に頷く。
「うむ、まだまだコスト面や性能等改良の余地はあるからして、祭の間だけの限定使用ならなんら問題はあるまい」
「ひょー、やっぱりすごいぜ」
さらにテンションをあげるテツとふけていく夜であった。




