第81話
「ふぃ~疲れた」
ブラウンとの打ち合わせが終わりソファーに横たわるテツ、やれやれといった顔で仰向けになり天井を眺めると自然に天井に手を伸ばす。
「? どうしたのですか?」
その様子を見てシノブが不思議そうにたずねる。
「あ、いや思えば遠くに来たもんだと思って」
つい某歌の歌詞が口をつく、実際次元か何かの壁を越えて来ているのだ確かに遠くにきていものである。
「確かにそうですね、ブラウン様のお祖父様も同じ事をおっしゃってました」
シノブがそういうと、シノブもまた遠い目をするのでテツがたずねる。
「シノブさんどうしたの?」
「ああ、ええブラウン様のお祖父様も日本からきたって言うのは知っていますか?」
「ああ、ブラウンから聞いてるけど?」
「ええ、それで"お米"とやらを探しに遠くに旅立たれてしまってもう一年も帰ってきておりません、今どこで何をされているのやら」
「心配でたまらない?」
テツがそういうとシノブはコクリと頷く。
「今のわたしとハツネがいるのはあのお方のおかげですから」
そういうと"話すぎました、そろそろレッスンありますので失礼します"
そういうと立ち上がり退室するところを引き留めて昔の事を聞きたかったのだが、さすがに聞けなかった、聞いてはいけないと思い手ををっ込めるテツなのであった。
「まあ、そこまで気配りような間柄でもないか」
テツはそういうとゴクリとお茶を飲み干し"やる事片付けないとな"と呟き立ち上がるのであった。
「とりあえず、犬に関する事はゼウに頼んで聞いてきてもらうとして、今はダンスのでき具合みてみるか」
そういうと屋敷のレッスン室に向かうのであった。
「おーい、お疲れ様といっても始まったばっかりか」
テツがそういうとジャージ姿のアイルとシノブがこちらを振り替える、メイド姿のシノブさんもなかなか良いけどジャージ姿のシノブさんも良いと満足そうに頷くと、そこへ振り付けを頼んでおいた振り付け師がやってくる、ブラウンの知り合いからの流れで紹介されて先生である。
「日本でもそうだけどダンスの先生ってやつはどうして・・・」
テツがそう呟くと先生が挨拶をしてくる。
「あらぁ~テツ様、おはようございます今日もキリッとしていて凛々しわぁ」
そういうと振り付け師、アクロスは顔をつつく仕草をしてみせる。
体格はガッシリしていて、頭はアフロ、そしてこのおねぇ言葉である、ブラウンによると色々な踊りを学んでいつも新しい何かを見いだそうとしていて常に情熱を持った暑い男らしいのだが。
「とっちかと言うと馴れ馴れしくて暑苦しいな」
テツがそういうとアクロスは腰をくねらせて"もう恥ずかしがって"などと堪える様子もなく二人のほうに向き直り手を叩いて始めるのであった。
「テツ様には感謝してるのよ、こんなチャンスいただけるなんて、まあ私の集大成みていってよね」
そういうとアクロスは踊りのレッスンを開始するのであった。
そして数時間後テツは興奮していた、まさかここまでの完成度だとは思っていなかったのである。
「すげーなアクロスさん、こりゃ当日はすごい楽しみに。なってきたぜ」
その言葉に、アクロスとアイル、シノブは満足そうにニッコリ笑うのてあった。




