第70話
「ああ、あの舞台か、今年から街の何ヵ所かに舞台を設置して劇やら歌を披露する人員を募集、または雇って祭を賑やかにしたいと市長がゆってきたのでな、そういう事ならとブラウン家もすくなからず協力させてもらっている」
いつものように孤児院に物質を運びにきたブラウンが答える。
「まあ、あれだな祭が賑やかになるのは良いのだが・・・」
ブラウンがふうっとため息をつく。
「どうかしたのか、ブラウン?」
テツがたずねるとブラウンが1枚の紙を渡してくる、そこには何人かの名前が書かれていた、それは誰が何の演目をするのかを書かれていた紙であった。
「フムフムなるほど、これはいったい?」
「ああ、そこに登録されている人はほとんど短い演劇なのだが・・・」
「ブラウン様は華やかに歌って演舞を演目とする方が少ない事に悩んでいるのです」
シノブがかわりにこたえる、なるほど確かに劇をするのもいいけれど、確かに演劇ばかりではなく歌で華やかにすることも大切かもしれない。
「そうだな、確かに歌も必要だよなぁ」
テツがそういいながら日本にいた時にTVや動画でみた歌番組を思い出す、それにモテたくて振り付けを練習していた時もあった、もちろん披露する機会はおとずれなかったが。
「おう、だったら1つ歌の案があるぜ」
テツが思い出してそういうと、ブラウンが意外そうにテツを見る。
「なに? テツにそんな才能があったとはな、意外だったぞ」
ブラウンがそういうとテツは軽く首をふる。
「そんなんじゃねーよ、ただ知っててなんとなく覚えているってだけだよ、あんまり期待しないほうがいいぜ」
「なんのそれで充分よ、必要な事あればこちらでなんとかしよう、では今日はこのへんにしておこう」
そういうとブラウンは立ち上がり軽く、会釈をして孤児院をでると、馬車に乗り込むのであった。
「では、失敗して街中の笑い者にならないよう祈っておくなかしら」
と辛辣にハツネに対してシノブは。
「テツ様ならできると信じています、祭当日が楽しみですわ」
と、高い好感度のこたえるをしてくる、これがゲームならどこぞからファンファーレでも聞こえてきそうである。
「おうまかせときなバッチリきめてやるからよ」
テツがそういうと自信ありげにうなずいていみせると、馬車は動きだしていくのであった。
「さてと、準備にとりかかるかとしますか」
そういうとテツは自分の部屋に戻って、昔みた動画の振り付け等を必死に思い出す、時には腰をくねらせたり、歩いてように見えるように足を動かしてみせる。
「おうい、テツなんかまかされたんだって? すすごじゃあないか」
ゼウがそういいながらノソノソと入ってくるのとターンをして後ろを振り返って、ゼウと目があうのはほぼ同時であった。
「・・・」
「・・・」
「ぎゃぁー!!!」
しばしの沈黙が流れたあと、見られた事による恥ずかしさから顔を真っ赤にしたテツの叫びが孤児院にこだまするのであった。
その後のテツの話によると、歌番を見ていたらテンションがあがりすぎて踊り出したところを母親に見つかった時と同じくらい恥ずかしかったとか・・・。
そんなこんなで孤児院の1日は終わるのであった。




