第69話
「いやー、しかし今日は人おおくね?」
テツが辺りを見回しながらつぶやく、大きな街なのであたりまえなのだが特に今日は混んでいるような気がする、さらにいえば何か舞台みたいなのを建てているようにもみえる。
「なぁ、アイルあれって何やってるの?」
テツがたずねると胸をはってえっへんと答える。
「あれはね、お祭りの準備なんだよ」
胸をはって答えるアイル、聞かれたのがよっぽど嬉しかったのか少し自慢気である。
「そこまで自慢気に答えなくても、で、なんの祭りなんだこれ?」
テツが重ねてたずねるとアイルが胸をはってさらに答える。
「やだなぁ、テツ、祭りは祭りじゃないか」
嘉多をバンバン叩きながら笑うアイル。
そしてそれを"あ、コイツ何も知らないな"という目でみるテツ。
「まぁ、いいかほれさっさっと買い物を終わらすぞー」
そういってアイルを促すテツだったが祭と聞いてなにか浮かれた気分になるテツ、たしかにこれから何かが始まるといったこういう空気感は人をなにかしそわそわさせる魅力がある、それはそこら辺にいるモブ系チンピラでもおなじである。
「よおよお二人さん、いいねえ俺たちもまぜてくんない?」
前からやってくるいかにもチンピラといった風貌の男二人組がやってくる。
"うん? この展開確かまえにもあったな・・・?"
テツがそう考えていると、チンピラの片方がアイルの顔を見て"あっ"と声をあげる。
「どうした相棒?」
チンピラの片方がたずねると同時にアイルの手が顔にのびて顔をガッチリ捕まえる。
「僕たち今忙しいからこんどにでもしてくれない?」
気迫を込めたアイルの笑顔を見て思い出すチンピラ。
「お前は、あっあっー!!!」
チンピラの絶叫が空にこだまするのであった。




