閑話休題 恩返しの事中編 第66話
「まっ・・・」
テツは今ものすごーく悩んでいた、人数分買おうにも、思っていた以上に金額が上だったのである。
んがっ、御守りってこんなに高いとは・・・という事は他のやつも・・・。
それは金属製の首からぶら下げるやつでスッキリとしたデザインのやつであった。
「なんて事だ、異世界甘くみてたな・・・」
テツの中では、100均そこらほどではないものの全員分買えるくらいの金額だと思っていたのであった。
「おお、なんてこった」
頭を抱えて悩んでいると、不意に後ろから声が聞こえてくる。
「おや、分かりやすいくらいに頭をかかえて悩んでどうしたのですか!?」
「いやぁー、実はみんなへのプレゼントで悩んでおりましてって・・・」
恥ずかしそうに頭をポリポリ掻きながら後ろを振り返るとそこには小脇に荷物を抱えたシノブが立っていたのであった。
「テツ様をこんな洒落たところでみかけるとは、珍しい」
シノブがそうたずねると、やましい事でもないのに言葉に詰まってジェスチャーになる。
「あー、なんで、いやいやそのなんで!?」
「ええ、辺りを怪しく警戒しながら歩いていくテツ様を見かけたものですから尾行してみました」
その言葉にテツはこの店に来るまでの行動を、思い返してみる。
まず、辺りを必要以上にキョロキョロして、その必要もないのに物陰に隠れ、さらにはこの店に入る前に様子をめっちゃくちゃ伺ってた・・・
「俺めっちゃ不審者・・・」
テツはそういうと軽くうなだれる。
「で、何をされていたのでしょう? 少し気になります」
シノブがぐいぐいと食いぎみにたずねてくる。
「当日までは隠しておきたかったけど、隠す程でもないか」
そういうとテツは照れぎみに笑いながら答える。
「いやぁね、あの祭司の時みんなにお世話になっからお礼をと思ってきたんだけど値段が」
照れ臭そうに笑うテツにシノブがニッコリ微笑んで、棚にかけてあるポップを指差して答える。
「まぁ、そうでしたか、ですがそこのコーナー魔力付与されてる小物のコーナーですから、本格的な物ではないにせよお値段は、はりますよ?」
シノブに指摘されてテツが驚くいて見てみると確かに"魔力付与アイテム大事なあの人に"と書かれていた。
「あー、な、なるほどこれはまいったなハハハ」
内心カッコ悪いのと、プレゼントを贈ろうと思っていたうちの一人にバレてやはりカッコ悪いのダブルパンチに乾いた笑いしかでないテツであった。
それを見てクスッと笑るシノブ。
「でしたらこちらの方で宜しいのでは? 魔力付与されておりませんがその分手頃なお値段でおしゃれにな小物等が揃っております」
そういって手をひかれた隣の棚は確かに値段も先程の棚よりも安く、ポップにもこう書かれていた。
"何気ない日頃の感謝に"
「ほらこれならどうですか?」
「お、おうぅ・・・」
唐突に手を繋がれたので言葉がうわずってしまうテツと、それに気づいて手を離すシノブであった。
「も、申し訳ございません・・・」
「いやいや、いいってことよ気にしないで」
テツが照れながら聞こえない声で呟く"それに悪くなかったし"、しかしシノブにはしっかり聞こえていたらしく、少しイタズラっぽく笑うと上目づかいで問い詰める。
「今何か言われましたか?」
返答に困るテツに、冗談ですと返すと表情を隠すように棚に視線を移すのであった。




