閑話休題 恩返しの事前編 第65話
ここに来てそろそろ3ヶ月、色々な事がありすぎたがなんとか馴染めてきて、仕事もどうにか手際よくこなせるようになってきた、まあアイルやミュウさんに比べればいたらぬところはあるけれど。
だからこそ、ハーフアニバーサリーですらないけれどサプライズを用意したい、その為の相談を買い物がてら街にやってきたのである、そう皆に悟られぬように。
賑やかな街の喧騒の中、白壁の慎ましやかな小さめの建物の前に立ち止まる。
看板には"雑貨屋"とかかれているがセンスの良い小物が多いと評判の店なのである。
「元の世界でだったら、ネット検索で一発なんだけどなぁ」
テツがつぶやく、今回このお店を見つけれたのは買い物によく行くパン屋のおっちゃんの常連客が、たまたま偶然に話たいたのを聞き、それとなく聞き出して調べたのであった。
正直いって、現代であるならサプライズなんてものは恥ずかしくてできずに、心の中でお礼を言ったりとかなんとなーく奢りをしたりでうやむやにしたしまうところだが。
「なんだかんだで、命助けてもらってるし流石になんにもしないわけにはいかないよな」
そう言ってお店の中に入るテツ、カラカラと扉に取り付けられたベルが鳴り、店員が丁重に挨拶をする。
中はこじんまりとしており、白い壁と木で造られたショーケースがいかにもクラシックな雰囲気を醸し出しておりゲームの世界に迷い混んだ錯覚すら覚える。
「ええと・・・」
中には明らかに高そうなモノから木彫りの安そうなやつもある、もっとも見ためより価値があるのかもしれないけれど。
テツは贈りたい相手の人数を思い浮かべる、ミュウさんにアイル、そしてよく懐いてくれる子ども二人、そしてブラウンにシノブとハツネおっと、ゼウにも買ってやらないとな。
「合計8っか・・・」
そういってテツは財布の中を覗くと銀貨と紙幣がそこそこ入っていた。
実はガイア教の一件の後、市長が慌てて謝罪にやってきたのだった、癒着していたとはいえ流石に見過ごせなかったのか、もしくは自分に不利益を被る証拠がないかの確認だったのかもしれない、どちらにしろ祭司と大半の教徒は死亡、残りの大半は意識不明の重大であれば大丈夫だろうと判断したのか、表向きは多額の寄付をしてきたのである、無論ほんとうの目的は口止め料であり、よってみんなにはそこそこのお小遣いがでるようになったのである。
「さてと、買い物しますか」
テツはそういうと腕を巻くってみせる仕草をするのであった。




