第60話
「私の動きを封じるとはやりますな、だがこれこらどうしますかな? みたとおり刃は通らないですぞ」
祭司が身動きを封じられつつも刀の刃が通らない事に余裕をみせる。
「ならばこうしましょう」
シノブがそういって、呪文を唱える。
"闇よ衣となりて我が身を纏え"
するとシノブの周りに闇が黒い炎となって纏わりつきだす。
「おお、なんだアレめっちゃかっこいいじゃん」
不謹慎とは思いつつも感情を抑えきれずに叫んでしまう、まさしくアニメやゲームで見てきたものの格好良さが目の前にあるからだ。
「・・・これが格好よいのですか、変わっていますね・・・」
シノブはそういうと少し微笑むと手わをかがげる。
"ソウルハンド"
シノブがそう唱えると手が闇により真っ黒に染まりはじめる。
「・・・この感覚やはりなれませんね」
そういうとシノブはその手を祭司の身体に突っ込む。
「少女の両親を吸収した時に確信しました、あなたのそれは死霊魔術の一種でしょう?」
「だったらどうすると? あなたも何かしらつかえるようですが? その程度では全然ですぞ」
「ええ、私には死霊魔術等つかえませんが、あなたの吸収した魂に語りかけることはできる、本当は精神攻撃魔法の一種ですが逆にこういう使い方も可能なのです」
するとシノブは精神を統一して祭司の中に吸収されているルータンの魂を探りはじめる。
「これは・・・」
祭司の中は無数の魂がひしめきあっており、呻いていたのである。
「なんという数の魂、恐らくはガイア教徒全員分・・・」
その中の様子に嫌悪感をあらわにしながらもルータンの魂を探り当てる。
"聞こえますかルータン"
シノブが語りかけると1つだけまだ吸収されきっていない魂が反応を示す。
「そこですね、一気にひきあげます!」
そう気合いを入れるとシノブは、祭司の身体から一匹の泥にまみれた様な犬を引きずり出す、それはまだ魂の形を失っていないルータンそのものであった。
「悪いな」
もちろんシノブには犬の言葉はわからないけれど、そう言った気がした、成仏していくルータンの魂を見届けるのであった。
「なるほど、そうくるとはなかなかやるようですが、犬の魂を抜いた程度では」
ルータンが抜けた後にポッカリ空いた穴をおさえながら呻く。
「いえ、十分です、ハツネ、ブラウン様」
シノブがそう合図をおくり、後ろに飛びさがるとハツネとブラウンが渾身の突きを、祭司の空いた胸に繰り出す。
「これで終わりだ」
声を揃えてブラウンとハツネが技を繰り出すと、ブオオオオンと唸りをあげる刀、そして祭司は内側からの斬擊でズタズタになる。
「なんとぉ、まさか祝福が・・・」
「何度も言いますがそれは祝福ではありません」
シノブはそういうと、絡めとった網を一気に縮めて圧殺する。
"おおおおおっ"
内側からやられて、鉄の強度を失った祭司が一気にペシャンコになると、祭司に取り込まれていた魂が解放されて成仏していくのであった。
「・・・」
倒されて力を失った祭司はその様子を只見つめながら、こときれるのであった。




