第57話
「さあいきますぞ、"祝福"によって貴女様の目を覚まさしてごらんにいれましょうぞ!」
そういうと祭司は跳躍してブラウンに襲いかかるのだが、とびあがる高さが人間のそれではなかった。
「おいおい、なんつー高さだよ、オリンピックならメダルとりほーだいじゃなぇか」
テツが驚いた顔でつぶやくと、祭司がニヤリと笑う。
「オリンピック? 知らない言葉ですが誉め言葉としてうけとっておきましょう」
祭司がブラウンに拳を繰り出すと、ゴウッッッとありえない唸りをあげてブラウンに襲いかかるが、それをヒラリとかわす。
「ふん、たいした事ないではないかー」
ブラウンが余裕の返しをしようとするが、時間差で頬が刃物に切られたようにパックリとわれる。
「ほう、なかなかのモノだな」
われた頬の様子を確かめながらつぶやくと、祭司が喜びだす。
「少しはおわかりになられたようですね、ドンドンいきますぞ!!!」
祭司がそういうってブラウンに襲いかかろうとすると、後ろからハツネが太刀を振りかざしてせまってくる。
「私のことを忘れていないかしら?」
ハツネはそういうと首めがけて太刀を振るうが、ガキィンと鉄か何かにぶつかったような音がする。
「ほほほっ、すごいでしょう? これが"祝福"の1つです」
祭司はそういうと首に手をやり揉みほぐす仕草をしてみせる。
「なるほど、肉体の硬化と向上、なかなかやっかいですが」
「切れるまで打ち込むまでよ!」
そう言ってブラウンとハツネが阿吽の呼吸て祭司の首を再度狙うが、またもや鉄か何かのような音がして弾かれる。
「おほほほ、無駄ですともブラウン様、おとなしく祝福を受け入れなさい」
そういうと今度はローブの裾が触手に変化してブラウンに襲いかかる。
「なんのこれしきっ!!!」
ブラウンはそういうと太刀で触手を凪ぎ払う、今回は少々硬いものの切り落とせないモノではなかった。
「おやおや、見事ですなこれは切り落としますか、さすがです」
黒いモヤになって消えていく触手を見て感心する祭司だったが、更に触手をはやしてブラウンに襲いかかる。
「クソっ、身体は鉄みたいにかてーし、触手はだどうやらいくらでも生やせる様子だし、じり貧じゃねーかいったいどうすりゃいいんだ?」
テツが戦いの様子を見てそうつぶやくとと、どこからか声が聞こえてくる。
"テツ、聞こえるか?"
「お、おう? なんだこの声バッチリ聞こえてるが誰だ?」
"そいつぁ、良かった俺だよルータンだよ"
「ルータンだって、あの女の子の飼い犬か、でもどこに?」
テツがたずねると、予想外の答えが返ってくる。
"今、祭司の奴の身体に吸収されちまってる"
「はぁ? なんだってということは、そこに・・・」
"ああっ、リータンの両親の魂もある、もっとも洗脳されて自我のない魂だけどな・・・"
「そうか・・・」
テツが残念そうにつぶやくとルータンがさらに答える。
"本当に残念そうにするなんて、ありがとよリータンの両親に変わって礼をいうぜ、まあ今は時間がないから要領だけいうぜ"
「お、おうわかった、とうすりゃいい?」
"祭司の胸の辺りに俺の魂がある、頑張って顔だすから、そこを目指して貫け!"
ルータンはそうテツに語りかけるのであった。




