第56話
「ええ、貴方様を迎えるにあたり、失礼があってはなりませんからね、その身に祝福を降ろさしてしただきました」
司祭はそういうと両手をかがげてニヤリと笑いを浮かべるのであった。
「もっとも、おろした祝福が大きすぎて少々難がありましてな」
そういうと司祭がパチンと指をならすと、リータンの両親が同じセリフを繰り返す。
「はじめまして、ここに私たちの娘がきておりませんでしょうか・・・」
繰り返すその瞳は目の焦点があっておらず虚ろであり、それはおよそ祝福とよべるものではなかった。
「なんだそれはおよそ祝福と呼べるものではないな、どちらかというと呪いではないのかね?」
ブラウンがそういうと司祭が残念そうに首を横に振る。
「おおブラウン様、それなりの地位にある貴方様ならご理解いただけると思ったのですが、やはり穢れた種族と交わられていると考えも穢れてくるのですね、残念です」
ブラウンがその言葉にピクッと眉間にシワをよせる。
「今なんといった? 聞き間違えでなければ穢れているとかいったか?」
その気迫をものもとせずに祭司は顔色をかえずに同じ言葉を繰り返す。
「ええ、穢れているといったのです、あの犬の獣人の事ですが何か?」
悪びれもなくさらに答えるのだが、更にそれが逆鱗に触れる。
「きっさまっあーっっっ!!! そこに居直れ根性叩き直してやろう!!! 」
ミュウの事を言われて激昂するブラウン、するとシノブが自らの影から1本の刀を取り出す、それは黒塗りの鞘におさまった1本の日本刀であった。
「なんと嘆かわしいことか、善意でした忠告にそのような返しをされるとは誠に遺憾、なれば私もわかっていただけるように誠意をお見せしましょう」
そういうと司祭がリータンの両親に肩をかけると両親が一瞬にして姿がきえてローブとメダルがその場に残される。
「貴様一体何をしたっ!」
ブラウンがさらに激昂する。
「簡単な事ですとも、より一層誠意をみせるために神の御業により力を貸してもらったんですよ」
その司祭の言葉を聞いてシノブが眉をひそめる。
「何が誠意か、神の御業か、それはただの邪法ではないですか」
「それは主観の違いですな、それも私の誠意が受け入れればわかる事です」
そういうと司祭は両手をかがけると気合いをいれる。
すると身体が倍近く膨れ上がる。
「いよいよボス戦ってわけか」
テツがそういうと司祭を睨み付けるのであった。




