第55話
「はじめまして、ここに私たちの娘がきておりませんでしょうか?」
扉の向こうから落ちついた声が聞こえる、娘というのはリータンの事であろう。
「あー、そのことなんだがご両親、あの娘さんが何をしたかおわかりで?」
ブラウンがそうたずねると、また淡々と答えが返ってくる。
「ええ旦那様、神の御業をもってあなた方に教えを、そして神の御業をその身に宿した少年を迎えにいった事もしっております」
「と、いう事は結果も知っているという事だな?」
「はい、だからこうして"三人"で迎えにきたのでございます」
リータンの両親がそう言い終わると同時に扉の向こうから魔力を感じるブラウンたち、テツだけが感じられずキョトンとしていたがシノブが影の触手を持って扉から離脱させると、それと同時に扉が燃え上がる。
「御業を持つ少年も迎えにまいりました、ゆえにこちらに」
燃え落ちた扉の向こうにはガイア教のローブを着たリータンの両親、それとガイア教の司祭が立っていたのであった。
「それが人にものを頼む態度かね? 人の家の扉をこんなんにしておいて、礼儀というものがなっていないなまた日を改めて出直すがいい」
ブラウンがそういって、手を振ってみせる、もちろんこの程度で去っていく事はないのはわかっている。
「いえいえ、それは困りますな、今日のために色々と準備してきたのでございますから」
そういうと司祭はローブの裾から、リータンが繰り出したような触手を展開して襲わせる。
「フッ!!!」
それをハツネが太刀で切り落とす。
「おやおや、なんとなっていないご婦人か神の御業にたいしてそんな無礼な態度を示すとは」
司祭がそういいながら更に触手を展開させるが、1つ違和感があった。
「おい、そこの司祭さんよぉ1つ聞きたいんだけど」
テツがそういうと司祭が目を見開いて歓喜の表情を浮かべる。
「おお、声をかけていただけるとは光栄、良いですとも良いですとも何でもお聞きください」
声をかけてもらったのがよほど嬉しかったのか声からは狂喜的な嬉しさが滲みでていた。
「だったら、遠慮なく聞くぜ、そこの女の子の両親に何をした?」
テツはそういうとそこにずっと棒立ちしているリータンの両親に指をさして問い詰めるのであった。




