第50話
「ブラウン様、さっそく何者かが探知の網に引っ掛かったようです、網から伝わる振動から察するに子どもかと思われます」
「了解、ありがとうシノブゆっくりおやすみ」
ブラウンがそう労うと、やはりそれなりに力を使うのかフウッとため息をついて椅子に座る。
「子どもか、そんな事までわかるのかすごいな、その探知っていうのは」
テツが感心すると、疲れているシノブのかわりにハツネが答える。
「ええ、まあ精密な事はわかりませんが、だいたいのサイズと数といったところでしょうか、ただ」
ハツネがそういうとブラウンが続ける。
「1人というところが気になるな・・・」
「まあ、俺1人がターゲットなわけだし、なめてるとかそんなんじゃないの?」
テツが我ながらちょっと情けないなと思いつつもそういうのだが皆の反応はまた別で、「これは何かある、もしくは仕掛けてくる」であった。
「そうかねぇ、俺がチョロそうに見えたから、子ども1人だけでいけるとおもったんじゃないの?」
テツが再度そういうとブラウンが口を開く。
「テツよ、そうだとしてミュウさんの方はどうする? ここにいるという事も道前しっているだろう? やつらの事そのまま見過ごすともおもえん」
「やはり、なんらかの仕掛けをしていると思って間違いないでしょう・・・、おや? なるほどそういう事でしたか」
探知にまた何か引っ掛かったらしくシノブが探知に集中するために目を閉じる。
「なるほど、偶然だと思いますが探知の範囲にギリギリに数人引っ掛かっていますね、これは大人に間違いありません子どもに油断させといて、その隙に連れ出す算段なのでしょうか」
シノブがそういうとブラウンがやはりと頷く。
すると孤児院の扉をトントンと叩く音がする。
「・・・!!」
4人に緊張が走り空気が一気に張りつめる。
「ではいってまいります」
ミュウに変装したシノブがゆっくりと立ち上がり玄関を開けるとそこには、テツが街で出会った少女リータンが立っていた。
「何かごようかしら」
ミュウの声色を出しながら対応するシノブ。
「こんにちはお姉ちゃん、久しぶりだねぇあの時いらいかな? ところでかここに犬さんとお話できるお兄ちゃんいるでしょ、ちょっとお話したくてかたんだぁ、代わってくれる?」
"あの時の? ああ前にミュウ様が保護した時の子ね"
「残念だけど今はいないかな、また別の日に来てくれるかしら」
なるべく穏便にすまそう返答するのだが、リータンの態度が一変する。
眉間にシワをよせて睨み付けてくる。
「やっぱりお姉ちゃんはみんなのいった通り悪い人だったんだね、お兄ちゃんを1人じめにさせないんだから、お兄ちゃんはお兄ちゃんはみんなのモノなんだからぁーっっっ!!!」
そういうとリータンの目はたちまち正気を失い、ローブがはためく。
するとローブからスルリとタコやイカのような触手が生えてきてシノブに襲いかかる。
「なるほど、ローブそのものが魔物もしくはそれに近い何かですか」
シノブはそういうと後ろに飛んで攻撃をかわすといれかわりでハツネが飛び込み、触手を切り落とす。
「彼女が言ったとおり、日を改めてお越しくださいませんか?」
ハツネはそういうと、かけていない眼鏡をかけ直す仕草をしてリータンを見据えるのであった。




