第3話
おお、ガタガタというリズムと後頭部の柔らかい感触に心地よい目覚めがおとずれる。
「%§?@^♪」
何か喋っているのだろう、聞きなれない言語が耳に入ってくる、オレは夢を見ているのだろうかそれにしてもまた二度寝したくなるなあ。
「うーん」
そういいながら顔を下にすると更に柔らかい触感と、驚いたっぽい声が聞こえるが異国の言語なのだろうやはり意味がわからない、あと心地よい。
そんな中少し渋い声が聞こえてくる、今度はちゃんと聞き取れる。
「おい、その様子をみれば訳ありなのはわかるが目が覚めたんならのいてくれないか?」
「後五分・・・んーむにゃむにゃ」
そんな事をいっていると後頭部に軽い痛みを感じる、頭皮マッサージかな? おかげでそれで目がパッチリ覚める。
「いてて、誰だよ俺の頭に噛みついているのは」
そういいながら起き上がり辺りを見回すと、目の前には金髪の女性の人がいた、肩までのびた髪の毛そして頭には犬の耳がついておりピコピコと動いていて可愛い、いわゆる獣人というやつである、それを見て異世界にきた事を実感してガッツポーズをとる。
「あの、ちょいと俺の存在忘れてませんかね」
後頭部からさっきの渋い声が聞こえてくる、全く誰だよ俺の後頭部に噛みついてるやつは、そう言いながら頭に手を回して何かを掴み前にもってくる。
「おおう」
思わずビックリしてしまう、しゃべる犬とか異世界っちゃなんでもありなのか? とりあえずこういう時はコンタクトとってみるか。
「えっと、さっき渋い声で喋ってたのはおまえなの?」
今度は犬の方がビックリしたような声をあげる。
「なに、お前俺の喋る言葉がわかるのか!?」
「え?」
「え?」
揺られる馬車の上、俺と犬と犬耳の女性が頭にハテナマークをつけて揺られているのであった。
これからちょっと楽しくなる予感も含みつつ不安も感じる俺なのであった。