第32話
「うむむむ」
夕食、ミュウがつくってくれた肉じゃがをにらめっこしながら俺は考えていた。
「どうした? なんかはいったのか?」
ゼウが俺の眉にシワを寄せた表情を見て声をかけてくる。
「まぁ、なんだそのとびきりうまいジャガイモと肉がはいっているな・・・」
「そうだな、だったら冷めないうちに食べたらどうだい」
などとやり取りをしていると、アイルとミュウ、そして子ども二人が感心してみつめてくる。
「な、なんだよそんなに俺カッコイイか?」
と、どや顔してみせるがバッサリときられる。
「顔はともかく、犬と直接話せるのはカッコイイなぁって、ねぇミュウ?」
「そ、そうね私でもゼウが何を伝えたいかは、なんとなくはわかるけど言葉で分かるわけじゃないからね」
そして、子ども二人とも無条件で称賛してくれる、フッフッフッ顔についてのコメントはあえて触れまいとして、こうやって誉めてくれるのは純粋に嬉しい、もっとほめてほめて。
「で、さっきは何悩んでたのさ?」
アイルが仕切りなおして新たに質問してくる。
「いやぁ、もっと頼れる男になるにはどうしたらいいかなと思って」
「なーんだそんな事?」
アイルがそういって、ずいっと人差し指を俺の顔に向けてくる。
「ちょっとアイルさん?」
「今でもじゅうぶんに役にたってるよテツは」
「そ、そうか?」
「そうですよ、テツさん、だって薪割りに、今日のお昼はこんなに美味しいジャガイモまてま買ってきてくれたじゃないですか」
ミュウが嬉しそうにそういうとアイルと子ども達がウンウンと頷く。
「だからさ、そんなに考え込まなくていいんだよ、何か必要な事があったら新たに頼むし、その時はその時でよろしくね」
アイルがそう言って軽くウィンクしてみせると食事に戻るのであった。
「お、おうわかったよ皆がそういうならそうするよ」
俺はアイルのウィンクにちょぉーっとドキッとしながら肉じゃがを食べるのであった。
・・・だからアイルは男なのに。




