第170話
スポラは名刺をスッと渡すと、片手で丸を作るとテツにコッソリ耳打ちをする。
「あのー、こっちが言い出して聞くのもアレですがお金の方は、、、」
「わかってるって、それでいくらいかかる」
そう聞くとスポラはホッとした顔をして金額を提示してくる、それはテツの世界においても妥当な値段であった。
「お、結構まともな金額じゃん、ボッタクリされるかと思ったんだけど」
テツがそういうとスポラは、プゥと頬を膨らませて人差し指をテツに向ける。
「あのぉ、これでもちゃーんとした、会社のちゃーんとしたガイドなんですからね!?」
「でも、最初はメチャクチャ押し売りみたいな感じだったよな?」
そういうとスポラは声のトーンを小さくしてつぶやく。
「それは私の売上、イヤ業績がちょーとねーアハハ」
スポラのその気まずそうな乾いた笑いを見ると、ちょっと同情の気持ちがわいてきてうなずく。
「わかったよ、そういうことならなおさら頼んだぜ」
そういうとスポラの目が輝いて、はりきってバックからオレンジ色のフラッグを取り出す。
「ありがとうございますテツ様。それでは改めてテツ様ご一行案内しまぁーすっ!」
スポラはそういう言って、スゥっと息を吸い込むと高らかに宣言してみせるとフラッグを
掲げる。
するとテツたちの周りをオレンジ色の光が包み込み、なんらかのバフ効果がふよされたのを感じる。
「スポラ殿これは、、、?」
ヤタガラスが不思議そうにたずねると、得意気に答える。
「観光って、体力使うし、気をつけないとはぐれたりするじゃないですかー、それを補うために一行のお互いの位置の把握の為のマーキング、体力増強および低下を緩やかにしてある程度整えることのバフがかかるマジックアイテムなんですよこれ」
そういうと、スポラは自慢げにフラッグを見せつけ、感心するテツ達の"おおー!"という感嘆の声と感心した目線に満足するのであった。