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第147話

 一方シノブ達は、ロッシャーの下水道を用心しながら進んでいた、幅は馬車がすれ違えるくらいに広く天井も高い。


 資料によると過去に砂漠地帯の岩場から流れてくる大量の地下水を利用、排水するために整備されたものだという、ゆえに作りはしっかりとしております今でもじゅうぶんにそのやくめはたしているのだが、近年は先程のジャイアントラット等の大型の生き物等がすみついてしまい、こうして定期的に討伐しているのであった。


 "しかし、おかしい"


 下水特有の臭いがまとわり絡み付くなか、他の討伐隊のメンバーはわからないけれど、確実におかしかった、先程の殺鼠剤や闘って倒したジャイアントラットが転がっていたハズなのに一体もみかけていないのである。


 「どうしたことでしょうか?」


 シノブ達が進んでいると急激に殺気が身を刺してくると、他の隊員も感じたのであろうとっさにみがまえる。


 "ぎゅうあーっ!ーー"


 鋭い叫び声と何かが走ってくる音が天井から聞こえてくる、音からしてなかなかの巨体である。


 「クマネズミですか! 私がいきます」


 シノブはそういうと飛び上がり天井からせまりくる、文字通りクマほどの巨体を持つネズミを蹴り飛ばしすかさず影で作ったヤリを投げつける。


 地面に蹴り倒され、ヤリが急所に命中して断末魔の悲鳴をあげて絶命するクマネズミだが、その悲鳴を合図にどこに隠れていたのか10体ほどのクマネズミがあらわれて憎悪の感情をぶつけてくる。


 「数は10匹1人1匹づつでいくぞ、慎重にかかれ!」


 ルブラがそういうと一斉にとりかかる、クマのような豪腕が振り回されるも隊員たちは紙一重でかわして攻撃を叩き込む、クマのそれと同じでネズミの素早さをもってしても訓練された人間にかなうハズもなくタフさで持ちこたえていたものの次々に倒されてしまう。


 「みんなご苦労だった、一旦引き上げて改めて回収するとしよう」


 ルブラがそういって引き上げようとすると凄まじい咆哮がきこえてくる。


 「なんだあれは? 嫌な予感がするいそいで退避だ!」


 ルブラが号令をかけていそいで退避すると、ラクロスとテツ、そしてスカーが出迎えるが、そのままシノブがテツ抱えて退避する、ラクロスはその様子をみて何かを察して同じく退避する。


 「ナニナニ? どうしたの?」


 テツがそう困惑しながらもシノブが口に人差し指を当ててシーとポーズをとると、"わかりました"といって頷くのであった。


 そして、岩影に隠れて様子をうかがっていると、一体の魔物が姿をあらわすそれはー。


 「オーガ」


 ルブラがそう叫び声をあげそうになる、それはまさしく鬼とも呼ばれるオーガであった。


 頭には2本の角、クマネズミよりも立派な体格で緑色の肌色はまさしくファンタジーにでてくるそのものなのであった。


 オーガは周りにだれもいないと見ると、さらに激昂して叫ぶ。


 「ダレダ、オレのカワイイペットをこんな目にアワセタノワー!」


 そういうと殺鼠剤で倒したジャイアントラットをかかげる、そしてしばらくまわりに八つ当たりをして破壊すると少しは気がまぎれたのか下水道の中に戻っていくのであった。


 「•••やれやれ、一難去ってまた一難か」


 ルブラはそうつぶやくとタメ息をつくのであった。


 


 

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