第145話
「あれは前に廃屋で出会った白いジャイアントラットよりかは小さいし、魔法も使わない楽勝です」
シノブはそういうと影をいつものように棒状に変形させるとジャイアントラットに向けてふりまわしてまとめて吹き飛ばし、ジャイアントラットの断末魔をひびかせる。
「さすがシノブは強いな」
テツが感心しながらいうと小声で"バカ"と小さくつぶやいて照れ隠しに顔をそむけるシノブ、しかし悪い気はしない。
「そろそろか、よし皆のもの例のとおり退却せよ!」
ルブラが頃合いをはかり、撤退命令を下すと兵士達はわざと袋を落として退却をはじめる、案の定ネズミ達は兵士を追わず落とした袋をくわえて貪り巣に持ち帰っていく。
そして下水道から外にでると深呼吸を一つしながら気持ちよく背伸びをする。
「ふぅー、さすがに大変だったな」
よっこらしょと、いいながら腰をのばすとルブラがこちらに頭を下げてほほえむ。
「だが君のおかげでどうにかなりそうだ、礼をいおう」
あらためて礼をいわれることになれておらず
、てれながら頭をかきはじめるとスカーが近寄ってくる。
「テツ、次なかにはいる時は気をつけたほうがいいぜ、さっき奥のほうからイヤな気配がしたような気がしたからな」
「マジか、野生の感ってやつ? サンキューだぜ」
頭を撫でながら考える。
「ルブラさん、なんかスカーがいうには奥になんかヤバいのがいるらしいんだ、だからじゅうぶんに気をつけてくれって」
「そうか、なら部隊を編成しておこう、うん貴重な情報をありがとう、スカーにもありがとうといっておいてくれないか」
ルブラがそういうとクゥンと言って、スカーが顔を照れくさそうにそむけて、テツが"どういたしまして"だってと翻訳すると鼻の頭でてつのお尻をつつくのであった。
-それから2時間ほどして、下水道に突入する部隊が、再編成されていた、その部隊は先ほどの剣や盾、鎧を装備した部隊ではなく、魔法が使えるもの数名、ピッチリと身体の線がでた黒ずくめの10人ほどの部隊であった、それを不思議そうに見ているとるぶらがやってくる。
「テツ殿、驚いたかい? この部隊は狭いところや暗いところ、特殊な任務を行う者達だ、スカーの意見を取り入れて召集してみたがいかがかな?」
ルブラがそういいながら自慢げに披露すると、その見た目が明らかな忍者部隊っぽさに大興奮して"すげーぜルブラさん!"と興奮するテツをみて、それは良かったと少し引きぎみになるルブラであったが、テツのテンションはさらにあがるその理由はー。
「テツ様、あのぅ、似合うでしょうか、、、」
そういうって恥じらいながらでてきたのは、同じようにピッチリとした服を着たシノブであり、同じ服を着ているというだけでテツのボルテージはMAXだったのである、そした感極まるあまりテツはただ、ありがとうと少し涙ぐみながらつぶやくのであった。
そして、そのようすを見たルブラが咳払いをひとつして、場の空気をもどすのであった。
「楽しそうなところすまない、そろそろ説明しても良いだろうか?」
「あ、すいません、、、」
2人がそういって下がるとルブラが説明を開始する。
「作戦はいたってシンプルである、狭いところや暗所での戦闘が得意な君たちを中心に中を照らす魔法使い、救護の為、回復魔法が使える者を囲んで中を探索する、なにやら恐ろしいモンスターがいるらしい気を引き締めてかかれ!」
そういうとルブラはせんとうをきって下水道の中に再び入っていくのであった。