第136話
「さてと、ここが市場か良い賑わいだな」
テツが病院の看護師に聞いてやってきたのはロッシャー最大の朝市である、何か栄養があるものをと思ってやってきたのである。
「ほう、うまそうな匂いがする」
スカーが市場からただよってくる果物や焼鳥の匂いにソワソワしだすと、テツとヤタガラスの周りをクルクルまわりだす。
「おちつけおちつけ、なんかうまそうなのあったら買ってやるから」
テツがなだめるとスカーはようやく落ち着き横にピッタリとよりそうと、ワンと嬉しそうに鳴くと尻尾を振り市場にはいっていくと、中は店舗型のテントが並んでおりくだものから料理、日用品さら装飾品まで売られていており、どのテントからも涼しい空気が流れていた。
「これはなかなか良い賑わいでござるな、テントからの風が心地よい、魔法か何かでござろうか?」
ヤタガラスが腕を組んで頷いていると、通りすがりのオバチャンが飴ちゃんを渡しながら説明してくれる。
「あらぁー、あんたたち旅の人ねこれ良いでしょ、ここロッシャーは暑いでしょ? だからモノが傷むのをなるべく抑えるように、王様の命令でテント1つ1つに軽い冷却の魔法が付与されているのよ」
そのオバチャンは説明するだけすると颯爽と姿を消すのであった、飴ちゃんを残して。
「大阪のオバチャン、、、」
テツはそう呟くと塩味の飴ちゃんを口に放り込むのであった。