第129話
「やぁーっと上がってきた二人とも、さ、ご飯の支度は出来てるから席につきな」
地底湖の入口のところでカンムと鉢合わせる。
「カンムさん、どうもありがとうございます」
テツが礼を言うとカンムが口を開く。
「どういたしまして、旦那から聞いたよそこの子、姉妹探しているんだって? 大変だろうけどがんばりな」
「ありがとうございますカンムさん」
「よしな、私は何もしちゃいないよ、するのはアンタなんだからね」
「•••はい、そうですね、それでもありがとうございます」
それでもニッコリ微笑んで笑うシノブをみてカンムは、テツにの首に腕を回して囁く。
「あの子いい子なんだから、アンタ絶対離したらダメだよ」
「ちょ、カンムさん、俺とシノブさんはそんなんじゃ、、、」
「ないっていうのかい? そうは見えないけどねぇ?」
カンムがニヤニヤしていると、病院でリハビリしていた時の告白してきたシノブを思い出すテツ。
「まぁ、そんなんでは、、、」
「まんざらでもなさそうじゃないか、あの子の過去に何があるかはしらないけどしっかり掴んでやんな」
カンムはそういうとせなかをバンバン叩いて食事の場所に案内する、そこは大きなテントが張られていてロウソクの炎がユラユラと幻想的に揺れており、並べられた食事を照らしておりどこか南国リゾートを思わせていた。
「さて、ついたよ、しっかり食べていきな」
その光景に少し興奮気味のテツ。
「おお、なんかめっちゃスゲーな!」
それを見てムングがにこやかに近づいてくる。
おお、テツ殿喜んでいただいて何よりだよ」
「おお、ムングさん、ここはいつもこういう食事なの?」
「ああ、一日の終わりにみんな集まって食事をとり、明日の無事を願いそれぞれの床につく」
「へぇ、なるほどそれはいいな」
テツが嬉しそうに感心すると足元にスカーがよってくる、背中に子どもをのせて。
「テツ、感心ばっかりしてないではやく食え、おいしいぞ」
「おお、スカーか、よしよしって背中に子どものせて可愛いなぁ」
「まぁ、これくらいはサービスするさ、いずれお前とシノブの間に子どもができたら乗せてやるよ」
スカーがいきなりそのような事を言い出すので、飲もうとした水を吹き出すテツなのであった。