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閑休話題 正月の事 119話

 「・・・起きてください、起きてくださいテツ様」


 こたつで寝ていたテツがシノブに揺すられて目を覚ますとそこには赤を基調とした晴れ着を着たシノブが、少し困り顔をして寝けた顔のテツをノゾキコンデいた。


 「まったく、テツ貴方はこんな美人2人がいるのにコタツで寝ているとはいい度胸ね、そんなに土葬されたいのかしら」


 そこへ少し眉をつり上げた表情でやってくる、これはこれで怒った顔、そして困った顔、双子だけにかわいい!、と見比べているとその考えを見透かされたのかスカーとゼウに前足でペチペチと顔を叩かれる。


 「考えてる事はお見通しだよ、まったくブラウンの旦那が餅つきの準備が終わってるぞ」


 「おお、そうかそりゃ悪かったなどれどれ」


 テツはそういうと立ち上がるとヨレヨレのジャージだったので深い溜め息をつくハツネ。


 「はぁっ、まったくめでたい時になんて格好しているのかしら、こっちに来るといいのかしら」


 ハツネはそういうとテツの腕を掴むとグイグイと部屋の奥に連れ込むとシノブにも来るように促すと、シノブもついていく。


 「いったい何を、あっやめて、恥ずかしい」


 「女でもないのに変な声を出すなかしら」


 「撤様、あの変な声をださないでくれますか?」


 そんなやりとりがあった後、立派な袴姿のテツが出来上がっていた。


 「おお、これはこれはなんとも格好いい姿に、ありがとう」


 テツがお礼をいうと二人ともテレタ様子を見せるのであった。


 「いえいえ、どういたしまして」


 「ふん、少しは見れる様にはなったのかしら」


 そういうと二人は玄関にテツを連れていくと、そこには金ぴかの袴を着たブラウンと、上半身裸で筋骨隆々のマエダが餅つきする気満々で杵を持っていた。


 「ははっやる気満々だねぇ」


 テツがそう言うと何故か女性物の晴れ着を着たアイルと、アクロスがやってくる。


 「テツー、どぉどぉかわいい?♡」


「ねぇどおかしら、ワタシ?」


 そんな二人を軽くあしらう。


 「はいはい、可愛い可愛い、アクロスお前は見なかった事にしよう」


 「わーいやったぁ♡」


「もういけずねぇ」


 等々いっているとミュウがこれまた金色と赤の基調が綺麗な晴れ着てお酒を持ってくる。


 「はーい、皆さんお酒を持ってきました」


 「お、いいねいただこうか」


 テツがそういって杯を受け取って飲みほすと、途端に眠くなる。


 「あ、やば眠たくなってきた、後で起こして・・・」


そして眠りにつくと揺り起こされる。


 「テツ様、起きてくだい山につきましたよ」


 シノブがそういうと不安そうな顔をしてこちらを見ていた。


 「うん、どうしたんだいシノブさん、そんな不安そうな顔して?」


 「いや、あの涙を流してらしたので怖い夢でも見ていらしたのかと」


 シノブにそう言われて頬をぬぐうと確かに涙を流した後を感じたのであった。


 「いや、不安というか嬉しい夢だったかな、それが叶うといいかな」


 「嬉しいと涙を流すのですか? けど良い夢なのでしたら叶うと良いですね」


 シノブのその問いにああっと短く返事をして馬車を降りるのであった。

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